大体大先生リレーコラム「本物を学ぼう」RELAY COLUMN

スポーツ科学部

2026.07.21

スポーツから世界を読み解く:国際関係論と「大体大」が切り拓くグローバルな未来

筆者:川上 陽子(スポーツ科学部准教授)

1.スポーツは世界をつなぐ“知的なツール”

 高校生の皆さん、スポーツは単なる「競技」や「エンターテインメント」だと思っていませんか。
 実は、スポーツは世界をつなぎ、国と国の関係づくりや平和の実現にも役立つ、とても奥深い“知の道具”なのです。
 近代オリンピックをつくったピエール・ド・クーベルタンは、スポーツには「人格を育てる力」や「異なる文化を尊重する心を育む力」があると考えていました。
 「卓越性」「公平性」「参加」、そして「平和」を大切にする“オリンピズム”という考え方は、国境を越えた友情や理解を広げることを目指しています。
 またクーベルタンは、「競技者にとって大切なのは、他人に勝つことよりも、自分自身を乗り越えることだ」と語りました。
 自分を高める経験こそが、社会をより良くする力になると信じていたのです。



大阪体育大学はスポーツSDGsを推進しています

2.クーベルタンの理念と現代の国際社会はつながっている

 このようなスポーツの考え方は、私が専門とする「国際環境法」や「国際関係論」とも深く関係しています。
 昔の国際社会では、戦争を終わらせるための“条約”のように、国同士が厳しく取り決めるルール(ハードロー)が中心でした。
 しかし今の世界では、地球環境問題のように、国々が協力して目標を達成するための“柔らかいルール”(ソフトロー)がとても重要になっています。
 19世紀にクーベルタンが示した「強制ではなく、共通の理想で世界が協力する」という考え方は、まさに現代の国際社会が目指す姿そのものです。
 スポーツがつくる“ゆるやかなつながり”は、国際社会の新しい協力の形を先取りしていたと言えるでしょう。


3.大体大で育つ「協働する知性」と未来への挑戦

 では、こうしたスポーツと国際社会の関わりを深く学べる場所はどこでしょうか。
 その一つが、大阪体育大学(大体大)です。
 大体大の建学の精神は「不断の努力により智・徳・体を修め社会に奉仕する」というもの。
 大体大の学生は、コミュニケーション力やリーダーシップなどの“非認知能力”が高いと言われていますが、大学はスポーツだけでなく、学問にしっかり向き合い、確かな知性を育てる場所でもあります。
 こうした学びを通して、複雑な国際社会で協力し合うための土台がつくられていきます。
 スポーツを通して世界を見つめ、科学を通して文明や人間の尊厳について考える。
 これはとてもインターナショナルで、そして“かっこいい”学びの形です。
 皆さんも大体大で「自分の殻を破り、自分を高め」、仲間と協力しながら世界で活躍する次世代のグローバルリーダーを目指してみませんか。
 知性と身体を大きく動かす、あなたの新しい挑戦を待っています。

キーワード
  • オリンピズム
  • 国際協調
  • 人権
  • グローバルリーダー

川上陽子(スポーツ科学部准教授)

国際関係学・国際環境法・フランス法を専門とし、修士(国際学)および博士(法学)を取得。大阪外国語大学大学院国際言語社会学科で国際法を学んだ後、Université Toulouse 1 Capitole にて国際環境法・国際関係論・フランス法を研究し、博士論文「Histoire du droit international pour l'éducation au développement durable」を執筆。スポーツ科学部にて教養教育(英語・法学)を担当。

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