第34回日本運動生理学会大会が8月20、21日、大阪体育大学で「求められるエビデンス、エクスペリエンス」をテーマに開催され、延べ約500名の研究者、企業関係者、学生会員らが参加しました。

大阪体育大学で開催された第34回日本運動生理学会大会

大阪体育大学はスポーツSDGsを推進しています
日本運動生理学会は1993年、運動・スポーツの生理学に関する専門的な研究と学術的な発展をはかるために設立され、約1000名の会員が所属しています。大阪体育大学での開催は2000年(大会長・金子公宥現名誉教授)、2018年(大会長・梅林薫現名誉教授、スポーツ局長・スポーツ科学センター長)に続いて3回目。大阪体育大学が共催し、大会長はスポーツ科学部・足立哲司教授(トレーニング科学)が務めた。事務局長は大阪体育大学卒業生の丸谷賢弘・関⻄大学人間健康学部特任体育講師が務めました。
また、大阪体育大学トライアスロン部、陸上競技部投てきブロック、関西大学の学生がスタッフとして運営のサポートにあたりました。
神﨑学長「大阪体育大学での3回の開催は名誉」
20日は開学50周年記念館2階のメイン会場で開会。大阪体育大学・神﨑浩学長が前回東京オリンピック翌年の1965年に開学した大学の歴史を紹介し、「大阪体育大学で3度も学会大会が開催されることは大変名誉なことです。2日間の学会が皆様に有意義なものになることをご期待します」とあいさつしました。続いて碓井外幸学会会長が「関西国際空港に近い大阪体育大学は利便性が高く、今後も開催地としてぜひ活用していきたい」などと述べました。

神﨑浩学長

碓井外幸学会会長
足立教授が大会長講演
続いて足立教授が大会長講演を務めました。
足立教授はこれまで、運動中の血中乳酸や呼吸を分析し、体がどれだけ酸素を取り込めるか、どれだけエネルギーを使うかなどを測定して、持久力の評価や効果的なトレーニング方法を研究してきました。
講演では足立教授はまず、恩師や研究でお世話になった先生を紹介しました。また、27年間にわたって鳥人間コンテストの強豪チームで人力飛行機パイロットのトレーニングを指導しており、長年、計測してきた科学データを説明しました。このほか、陸上競技部女子中長距離コーチとして指導した日本インカレ1万m覇者・岡小百合選手や、現在、監督・部長を務めるトライアスロン部で、世界選手権(11月、UAE・アブダビ)の出場推薦を受けた横山絋来(ひろき)選手(体育学部4年)のトレーニングについてデータを交えて紹介しました。
また、第1日は基調講演「乳酸をどう考えたらよいのか」(東京大学・八田秀雄先生)など多数の講演、シンポジウムが行われました。

大会長講演を務める足立哲司教授
特別シンポジウムで梅林名誉教授が講演
第2日は特別シンポジウム「競技力向上のために求められるエビデンス、エクスペリエンス」が開催され、大阪体育大学スポーツ局長、スポーツ科学センター長の梅林薫名誉教授が「競技力向上へ向けた現場と科学を結びつける! テニス協会、大学の指導現場の事例を中心として!」のテーマで講演しました。
梅林名誉教授は日本テニス協会などでトップ選手やジュニア選手のサポートに携わり、沢松奈生子選手や錦織圭選手をサポートした経験を紹介。「これまでの実践研究を振り返ると、選手や指導者のニーズを正確に理解し、何を望んでいるのかを把握することが大切です。また、今回のテーマでもある『エビデンスとエクスペリエンスの調和』も重要。指導者は科学的なエビデンスを実際の指導現場で活用すると同時に、経験に基づいて得られた知見を科学的に検証し、両者のバランスを取りながら、研究と実践を進めていくことが必要です」と話しました。

特別シンポジウムで講演する梅林薫名誉教授
大学院・真弓さんも一般研究発表
また、ショートプレゼンテーションとポスター発表による一般研究発表も行われ、大阪体育大学大学院博士後期課程から真弓佳伸さん(三島研究室)が「試合前3日間の高炭水化物摂取が全国レベル高校男子サッカー選手の試合中の動作パフォーマンスに及ぼす影響」の演題で発表しました。
閉会式で、若手研究者に大会奨励賞
閉会式では、足立大会長が一般研究発表で大会奨励賞を受けた若手研究者に賞状を授与。「2日間とも非常に天候に恵まれ、全日程を無事完了することができました。また、参加者に楽しんでもらえるよう催しや工夫を凝らしました。一般研究発表でプレゼンテーションからポスター発表へとつなぐハイブリッド型の流れを取り入れるなど様々な工夫をこらしました。今大会の感想を改めてお教えください」とあいさつし、閉会しました。




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