大阪府立佐野工科高等学校の定時制課程で、大阪体育大学教育学部3年の井内菜摘(いのうち・なつみ)さん(保健体育教育コース、大阪・近畿大学附属高校)と岩田いろりさん(保健体育教育コース、京都・城陽高校)が、生徒の学校生活全般を支援するスクールサポーターとして活動しています。
定時制は近年、言葉の問題のほか仕事やアルバイトとの両立のために外国籍の生徒が増えていて、2人は言葉の壁に戸惑いながらも奮闘しています。
2人に聞きました。

左から岩田いろりさん、井内菜摘さん
――活動することになったきっかけは
井内 ゼミの浜上(洋平)先生(准教授)経由で、浜上ゼミ1期生で佐野工科高校に勤める藤本岳先生から依頼がありました。私は将来、高校の体育教師を目指しています。通常学級の生徒だけでなく、様々な理由から定時制を選んだ生徒にも関わってみたいと思い、活動することにしました。
岩田 自宅がかなり遠いので大学近くで活動できる点や、将来のためにも教育現場を経験しておきたいと考えて活動することにしました。
――実際の活動は
岩田 私は毎週金曜日に活動しています。午後6時から授業が始まりますが、生徒さんの横について、授業を聞いて分からない部分をサポートしています。担当している時間は外国籍の生徒もいます。スーダンから来ている生徒はアラビア語で話すのですが、全く分からないので翻訳アプリや身振り手振り、後は勢いでコミュニケーションしています(笑)。
井内 私は木曜日に担当していますが、外国籍の生徒も日本語は話せます。ただ、印象に残っているのは、授業で映画「魔女の宅急便」を見た時です。普段は日本語を話せて読み書きができる生徒も、映画では聞き取りやニュアンスの理解に苦労している様子でした。多分、普通に会話することはできても、映画で出てくる言葉が良く分からず理解が難しいのかと思います。
――学校の雰囲気は
井内 生徒は年齢も様々で私たちより年上の人もいますが、みんなで一緒にわいわいやっています。私は高校2年生のギャル系の生徒に毎回、変顔を見せられます(笑)。
岩田 生徒さんは朝から夕方までアルバイトをしてから登校している高校生や、バリバリ働いてから作業着姿で来ている年配の生徒さんもいます。45分授業で4時間目まであるので、授業が終わると午後9時過ぎになりますが、そこから部活動もしているので、みんな働きながら学ぼうとする姿勢がすごいなと感じます。先生もあまり厳しく指導することは少なく、生徒を優しく包み込むように接している印象で、良い意味で自由でおおらかな雰囲気です。

浜上ゼミ生とともに
――活動していて大変なことや工夫していること
井内 やっぱり言葉です。外国籍の生徒と意思疎通が難しい場合、どうしたら理解してもらえるか自分なりに考えながら進めます。私たち日本人同士でも、方言で話されると分からないこともありますし、分かりやすい日本語で話すようかなり意識しています。あとは、どのタイミングで介入してサポートするか迷う時もあります。
岩田 分かる(笑)。例えば工作の授業では、先生が話している時に同時進行で通訳しますが、それぞれの理解度や進捗度が違う中でサポートするためには、自分自身で内容を理解しておかないといけません。また、何もかもこちらでサポートすると本人のためにならないこともあり、どこまでサポートするべきか迷う部分があります。
――スクールサポーターとして学んだことは将来に役立つか
岩田 将来についてはまだ考え中ですが、もし教員に進んだ場合、採用試験でも自分が経験したことを話せるので自信になります。これまでは自分の母校のことしかイメージできなかったのですが、定時制で活動して先生や生徒から学級運営を学べたことが大きいです。今までにない経験をしたことで、良い意味で進路に迷いが出ています。
井内 自分より年上の生徒さんや外国籍の生徒さんと関わることはまずないので、将来自分が担任を持った時、この経験値を活かして様々な指導の選択肢を持てると思います。インターンシップで中学校に行ったときは生徒が全然話を聞かずにびっくりしましたが、ここではみんなしっかり話を聞いてくれ、逆にしっかり話さなければならずプレッシャーを感じます(笑)。様々な形の学校があり、いろいろな事情を持った生徒がいることを知ったことは、自分の教育に対する視野を広げることにつながったと思っています。




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