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2026.08.04

野球部マネジャーの魅力とは、聖地・神宮で得た教訓は 大阪体育大学硬式野球部員が吉田麻衣子マネジャーに聞く

 大学スポーツでは選手に華やかなスポットライトが当たりがちですが、マネジャー、アナリスト、学生コーチなど裏方として支える学生は、チームにとって重要な戦力です。
 神宮球場、東京ドームで6月に開催された第75回全日本大学野球選手権大会に、大阪体育大学硬式野球部女子マネジャーの吉田麻衣子さん(スポーツ科学部4年、スポーツマネジメントコース、大阪国際高校)が阪神大学野球連盟から学生委員として派遣され、主に広報として最高峰の舞台を支えました。
 大学野球の聖地・神宮で得たことは。マネジャーの魅力とは。マネジャーとして3年以上、選手を一番近くで支えた吉田さんを取材しました。
(大阪体育大学硬式野球部3年、梅原秀太)

硬式野球部女子マネジャーの吉田麻衣子さん(スポーツ科学部4年、スポーツマネジメントコース、大阪国際高校)
【大阪体育大学】

硬式野球部女子マネジャーの吉田麻衣子さん(スポーツ科学部4年、スポーツマネジメントコース、大阪国際高校)



大阪体育大学はスポーツSDGsを推進しています

神宮、東京ドームで関東の学生委員から運営力を学ぶ


 阪神大学野球連盟で学生委員の副委員長を務める吉田さん。全日本大学選手権では広報として、メディアの受付や取材対応の準備などを担当した。大会には、全国の連盟から学生委員が集まり、公式記録、広報、スコアボードのBSO表示、場内アナウンス、パンフレット販売などを担い、大会を支えた。
 大会は東京開催ということもあり、運営の中心は関東の学生委員。吉田さんは「関東の学生は段取りの速さや仕事量が全然違う。人数も多く阪神大学リーグももっと学生委員が増えてほしい」と話す。関西の学生委員に比べ、トラブル時の判断力や察知力の速さなどとっさに動ける力を間近で感じたという。
 今年の全日本大学選手権は関西大学の54年振りの優勝で沸いたが、大学野球の戦力地図はまだまだ関東優位だ。野球の技術だけでなく、吉田さんは裏方の運営力でも関東に学ぶ点があると感じた。

東京ドームでアナウンスを務める吉田さん=全日本大学野球選手権大会で
【大阪体育大学】

東京ドームでアナウンスを務める吉田さん=全日本大学野球選手権大会で

マネジャーの魅力とは選手の一番近くにいて成長を知ること


 吉田さんは中学・高校ではバスケットボール部の選手だった。
 そのころ吉田さんがファンだった選手はけがが多く、その予防ができたらいいなと思い、トレーナーを目指すようになったという。大体大に入学し、トレーナーを目指して硬式野球部に入ったが、リーグ戦の運営はほぼ学生だけで担っていることを知って裏方の仕事に興味を持つようになり、マネジャーになった。マネジャーの仕事は練習の補助やボールの準備、事務作業、スコアラー、アナウンス、さらに阪神大学連盟学生委員としての業務。吉田さんは「キャンプでは保護者の方へ贈る手紙を作成することもあり、選手を支えるために必要な仕事は何でもやっています」と話す。それを4人の女子マネジャーでローテーションしている。
 今年の春季リーグで、大体大は2位だった。就職活動のため、春で引退する4年生の選手やマネジャーも多いが、吉田さんは秋まで続けることを決断した。その理由はただ一つ。「1年の頃から一緒にやってきた仲間を、最後まで見届けたい。そして一緒に神宮に行きたい。それだけです」。「それだけ」の言葉に今までの喜びや苦労が詰まっているように感じた。
 なぜここまでマネジャーを続けることができたのか、そこにどんな魅力があるのか改めて聞いた。「しんどいことも辞めたくなったこともたくさんあったけれど、続けてこられたのは選手のおかげだと思います。マネジャーの魅力は、選手の成長や試合に勝った時の喜びを一番近くで感じることができること。また、学生委員をすることで、関西だけでなく、関東の大学ともつながりができることもすごく大きいと思います。でもやっぱり選手からの『ありがとう!』。この声が、マネジャーを続ける励みになります」。吉田さんは卒業後、ビジネスパーソンとして社会に出るが、マネジャーで培った力を存分に発揮していきたいと話す。

「支える」ことでスポーツの新たな視点を知る


 高校で部活動をしていても、大学生になるとクラブの競技力の高さに気後れしたり、けがの影響があったりしてスポーツから離れる学生が多い。しかし、スポーツは「する」ことがすべてではなく、マネジャー、トレーナー、アナリスト、学生コーチなどとしてチームを「支える」など、スポーツには多様な関わり方がある。
 そんな新たな道について、吉田さんは「プレーヤーは注目される立場ですが、マネジャーは注目を選手に“向かせる”ための方法を考えたり、行動をしたりする立場に変わるので、そこにスポーツの新たな視点や魅力があります」と話す。

屋内練習場でチームメイトの打球速度を測る吉田さん
【大阪体育大学】

屋内練習場でチームメイトの打球速度を測る吉田さん

選手、スタッフみんなが互いをライトで照らし合えるチームに


 硬式野球部は今、阪神大学秋季リーグで10年ぶりに優勝し神宮に行くため、新主将の森翔斗(スポーツ科学部3年、兵庫・明石商業高校)、元主将の山下世虎(せとら、体育学部4年、山口・下関国際高校)らが日々練習に励んでいる。もちろん吉田マネジャーも。
 スポットライトを選手に当てるのはメディアだろう。しかし、部員一人ひとりがそれぞれ自分のライトを持って、仲間の選手やスタッフ、監督、コーチと互いに照らし合えたらすごいチームになるのではないか。全員が助け合えたら優勝は近づくに違いない。吉田マネジャーを聖地に連れて行こう。

吉田麻衣子さんを取材する硬式野球部の梅原秀太さん(スポーツ科学部3年、兵庫・市立尼崎高校)
【大阪体育大学】

吉田麻衣子さんを取材する硬式野球部・梅原秀太(スポーツ科学部3年、兵庫・市立尼崎高校)

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