秩父宮賜杯第79回西日本学生陸上競技対校選手権大会は6月21日、大阪市のヤンマースタジアム長居などで最終日の競技が行われました。女子砲丸投げは、大阪体育大学DASH選抜アスリートで、7日前の日本選手権で2連覇を果たした坂ちはる(スポーツ科学部2年、大阪体育大学浪商高校)が、大会新記録となる16㍍06で2連覇。2025年度学生ランキング1位に相当する記録で、坂は最優秀選手に輝きました。

女子砲丸投げ優勝 坂ちはる(スポーツ科学部2年、大阪体育大学浪商高校)
坂は3投目までは15㍍02が最高とやや低調な試技が続きましたが、自ら観客に手拍子を求めて会場の雰囲気を盛り上げた4投目に、日本選手権でマークした自己ベストにあと1㌢に迫りました。また、坂は直前の女子円盤投げでも43㍍31で5位入賞とタフネスぶりを発揮しました。
また、女子砲丸投げの中原鈴(体育学部4年、東大阪大学敬愛高校)も5投目で記録を上げて14㍍18で3位。武田光里(体育学部4年、奈良・添上高校)も5投目でシーズンベストの13m96を投げて4位入賞するなど、3人とも後半に記録を伸ばしました。
また、男子砲丸投げは教育実習中で日曜を利用して参加した濱田茉裕(まひろ、教育学部4年、三重・松阪商業高校)が5投目で自己ベストの15m55をマークし、3位に入りました。
対校得点では、女子フィールドの部は44点で2位となりました。
【第3日の入賞者(8位以内)】
▽男子
<砲丸投げ>
3位 濱田茉裕(まひろ、教育学部4年、三重・松阪商業高校) 15m55
▽女子
<砲丸投げ>
1位 坂ちはる(スポーツ科学部2年、大阪体育大学浪商高校) 16m06※大会新
3位 中原鈴(体育学部4年、東大阪大学敬愛高校) 14m18
4位 武田光里(体育学部4年、奈良・添上高校) 13m96
<円盤投げ>
5位 坂ちはる 43m31
▽対校得点 女子フィールド2位 大阪体育大学44点
▽最優秀選手 女子 坂ちはる
坂ちはる 手拍子求めて場の雰囲気変え好記録 中西監督「誰にでもできるものではない」

女子円盤投げ5位 坂ちはる
坂のタフネスぶりが際立ちました。
午前9時10分開始の女子円盤投げで上位8人の決勝に進みましたが、競技が佳境を迎えている中、隣のサークルで午前10時から砲丸投げがスタート。円盤投げの最終6投目をまだ投げていないのに、砲丸投げで自分の試技が回ってきました。間に合わずにパス。円盤投げを終えた後、隣の砲丸投げのテントに行って、全員が1投目を終えた後で投げるあわただしさでした。
日本選手権から中6日。円盤投げの疲れも残っていたのか、1投目から15㍍02、14㍍82、14㍍20と低調でした。自分も他の大体大選手も記録が伸びず、どよんとした雰囲気の中で迎えた4投目、坂が突然、声をあげました。
「手拍子、お願いします」
自ら頭の上で手をたたき、観客や応援のチームメートを盛り上げます。渾身の一投は、大会新記録で、自己ベストにあと1㌢に迫る16㍍06の好記録となりました。坂自身が試合中に手拍子を求めたことはあまりないといいます。
中西啄真(たくま)投てきブロック監督は「自分のフィーリングで会場を盛り上げ、雰囲気を変えてしまう。アスリートとして重要な資質だが、誰にでもできるものではない」と技術やパワーだけではない、坂の類まれな資質に賛辞を送りました。
坂は「周りも自分も盛り上がっていなかったので、緊張感を出してみようかなと思った」と手拍子を求めた理由を語ります。

手拍子で応援を受け、スタンドに感謝する坂ちはる
坂は自らの気持ちに向きあい、気持ちをコントロールすることに長けているようです。日本選手権では1投目で手が震えるほど緊張し、その緊張を力に変えて16㍍05をマークしました。その後2、3投目が不満足な内容に終わると、4投目前のインターバルでゆっくり座り、ラムネを食べて気持ちをリセットし、自己ベストの16㍍07につなげました。
気持ちのコントロールの仕方について、「自分に合っているかどうか分からないが、その時の気分で何をするか決めている」と話します。
円盤投げとの掛け持ちには、重要な意味があります。「疲れもあり、大変でした」と笑いますが、中西監督は「世界の砲丸投げは、回転投げが主流だ。体を回転させる円盤投げでも結果を出せるということは、坂さんがいずれ世界と戦う時、回転投げへの変更という選択肢も持てることにつながる」と話します。
9月の全日本インカレでは初優勝を目指します。坂は「2試合連続で16㍍を出せたので、試合で普通に16㍍が出る安定感を身に付けたい」と抱負を語りました。
濱田茉裕 「教育実習先の生徒に『先生、3位に入ったよ』と報告したい」
「3投目まで不甲斐ない結果だったので、4投目、自分に喝を入れ15㍍12が出ました。それでスイッチが切り替わりやる気がグッと出て5投目の15㍍55につながりました。15日から母校の三重・紀北中学で3週間の教育実習中で、日曜だけ西日本インカレに参加しました。中学の陸上部で指導をしながら生徒と一緒にこの大会に向けて練習しました。きのうも生徒から「先生頑張って」と励まされたので、月曜に「先生、3位に入ったよ」と報告したいです。高校時代にあまり実績はありませんでしたが、大学では自分で考える時間が増え、映像を見るなど自分の投げと向き合うことで成長できたと思います。陸上は大学で終える予定ですが、16㍍を投げたら現役を続行するプランBも頭にあります。この勢いで全日本インカレで16㍍を達成したい」

男子砲丸投げ3位 濱田茉裕(教育学部4年、三重・松阪商業高校)

女子砲丸投げ3位 中原鈴(体育学部4年、東大阪大学敬愛高校)

女子砲丸投げ4位 武田光里(体育学部4年、奈良・添上高校)




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