リカバリーウェア製造・販売の株式会社「ベネクス」(本社・神奈川県厚木市)でSCM部兼プロフェッショナルセールス部部長を務める真弓佳伸(よしのぶ)さん(58)は、毎週のように出張で全国を巡る中、大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科の博士前期課程でオンライン授業を受講しています。
46歳の時、アスリートのリカバリー製品の開発に大きなビジネスチャンスを感じ、当時はベンチャー企業だったベネクスに転職。スポーツ科学の幅広い分野の視点から疲労回復を横断的に学びたいと大学院に進みました。そこでの学びは仕事以上に、これからの人生で自分と社会との接点をつなげるため、自己啓発の観点でのメリットが大きいのだといいます。
真弓さんにインタビューしました。

【真弓佳伸さん、本人提供】

SDGs
大阪体育大学はスポーツSDGsを推進しています
――なぜ大学院で学ぼうと思ったのか
現在、ベネクスでリカバリーウェアの製造・販売部門の責任者を務めていますが、健康支援やスポーツアスリートと関わるなかで、休養、回復の重要性がますます高まっていることを感じています。それらの方々と接する中で疲労回復には生理的な要因だけでなく、心理的、社会的など複合的な要因があるのではないかと強く感じました。私には現場経験はありますが、スポーツ科学の視点から休養や回復についてより体系的、横断的に学びたいと思い、2024年4月、大阪体育大学大学院に入学し、三島隆章教授(運動生理学)の研究室に所属しています。
――会社での仕事のさらなるレベルアップを目指したのか
それもありますが、キャリア的に今年59歳なので、次のステップを考えて学んでいる面もあります。会社での勤務も長く続けたいのですが、今は人生100年時代ですので、自分のライフワークとしてリカバリーやアスリートに携わること自体を長く続けていきたい。そのためにはより専門性が必要になると思いました。大学院での学びはキャリア形成も含めた挑戦としてとらえています。
――大阪体育大学を卒業後、スポーツウェアメーカーに24年間、勤務し、46歳で現在の会社に転職した。転職した理由は
スポーツウェアメーカーではマーチャンダイザーとして商品の企画・生産・販売を統括していましたが、リカバリ―にまつわる製品はほとんどありませんでした。今の会社はリカバリーに特化した日本初のベンチャーでしたが、ビジネスチャンスが見え、将来の可能性を感じてトライしました。
――どのような競技のアスリートと関わっているか
サッカー、ラグビー、バスケットボール、ハンドボール、陸上長距離など幅広い競技の選手に私たちのウェアなどを使っていただいています。
――2024年度に大阪体育大学大学院に入学した。なぜ大体大へ
まず、大学院に進みたいという気持ちがあり、自分でいろいろな大学院を調べていくうちに、大体大を見つけました。リカレント教育を重視されていて、オンラインなど社会人のための学びの制度が非常に充実している点から入学を決めました。もちろん母校だったことも影響しています。
――大体大には独自の昼夜開校制があり、夜間の授業はオンラインで実施している。もし、オンライン授業がなかったら、大学院で学ぶことはできたか
仕事があり、難しかったと思います。
――この2年間、どのように受講したか
ほぼ月曜から金曜まで午後6時からの90分ずつ2コマを受講しました。自分自身、週の大半は全国に出張しているので、出張先で借りた会議室やホテルでパソコンを開き、オンラインで受講しました。オンライン授業では先生方に配慮していただいて、ディスカッションも十分行えました。
――博士前期課程は原則2年だが、大体大では、仕事などの理由で2年での履修が困難だと認められた場合は、2年分の学費で最長4年まで在学期間を延長できる長期履修制度がある。この制度のメリットは
私は3年目となる今年度での修了を目指しています。自分の専門だけでない領域を広く学びたいと思って大学院に進んだので、2年間でスポーツ心理、マネジメントなどほぼすべての領域を受講しました。とても大変でしたが、たくさん学べることが長期履修の最大のメリットだと思います。自分のスケジュールに応じて自分の学びの選択ができました。
――大学院では学部卒の若い学生とともに学んでいる
若い方との学びはとても刺激になっています。自分たちにはない若い方の考え方を冷静に聴かせてもらえるので、ものすごく勉強になります。私も会社の採用面接などで多くの学生と会いますが、自ら夢を追って大学院に進んだ方の考え方はとても上質で、学ぶという点においてとても参考になります。
――修士論文の研究テーマは
「3日間の炭水化物摂取が全国レベルの男子高校サッカー選手のパフォーマンスにどのように影響するか」をテーマに研究しています。実際に高校サッカーの男子生徒を対象に実験をしました。
――大学院での学びは自分の仕事、キャリアに役立っているか
日本リカバリ―協会から休養士の資格をいただき、市民の皆さんにお話する機会がありますが、大学院で学んだことをお話させてもらっています。
――仕事以外で大人としての生き方に役立っている部分もあるか
そちらの方が大きいと思います。私の仕事人としてのキャリアは残されている時間が短いかも知れませんが、自分がこれから社会との接点をどう持っていくかが大切だと思っています。あまり「仕事が、仕事が」というより、自己啓発、自分のために学んでいます。
――多くの社会人が大学院での学び直しに心惹かれながら、あと一歩を踏み出せていない。アドバイスがあれば
私自身、大学卒業後は学びから遠ざかり、数十年たって学び直しができるのかという不安はありました。でも、今は「何でもやってやろう」という意識でいます。考えているだけではなく、一歩踏み出すアクションが大切だと思います。
真弓佳伸(まゆみ・よしのぶ)
大阪体育大学体育学部卒。スポーツウェアメーカーに24年勤務し、ベネクスに転職。2024年、大阪体育大学大学院に入学し、現在、博士前期課程2年。休養インストラクター・休養士2級。奈良市在住。




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