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2025.11.06

関東優位の大学スポーツ界で、なぜ大阪体育大学ハンドボール部女子は勝ち続けることができるのか インカレ12連覇は特筆すべき偉業

 大阪体育大学ハンドボール部女子が11月6日の全日本インカレ決勝で、男女を通じた連覇の最長記録を「12」に更新しました。多くの競技で関東の優位が際立つ大学スポーツの中で、特筆すべき稀有な存在と言えます。なぜ、大阪体育大学は頂点に立ち続けることができるのでしょうか。

12連覇達成後、選手に囲まれ目を潤ませる楠本繁生監督 【大阪体育大学】

12連覇達成後、選手に囲まれ目を潤ませる楠本繁生監督


 まず、大体大の強みとして挙げられるのは、大学にとどまらず日本代表監督も務めた名将・楠本繁生(しげお)監督の存在です。大体大で現役選手としてインカレで優勝し、京都府立洛北高校の監督として、在任23年間でインターハイを7回制しました。2010年に大体大監督に就任すると、同年準優勝し、12連覇・13回の優勝を含めてすべての年で決勝に進みました。
 2021年秋から女子日本代表「おりひめJAPAN」監督を兼任。2024年4月のパリオリンピック最終予選まで指揮を執り、最終予選では大体大からは、代表選手20名のうち現役学生2名、卒業生13名が参加しました。
 大学スポーツ界はインカレで関東の大学が優位に立つ競技が多く、関西が全国をリードしている競技はアメリカンフットボール、女子ハンドボールなど少数です。高校スポーツはまだ関西など関東以外も健闘していますが、有力な高校生は地元ではなく関東の大学に進む例が大半です。そんな中、女子ハンドボールは、楠本監督の指導を希望して関東の強豪高校から大体大に進むケースも多いのです。
12連覇を達成した大阪体育大学ハンドボール部女子 【大阪体育大学】

12連覇を達成した大阪体育大学ハンドボール部女子


 楠本監督の指導の特徴は、選手への問いかけにあります。強豪の千葉・昭和学院高校から大体大に進み、インカレで優秀選手となった加藤真央(スポーツ科学部1年)は「体大に進むと、練習で楠本先生から『なぜそのプレーを選択したのか』と問われる。いきあたりばったりではなく全員で考えてプレーしているから、質の高いハンドボールにつながっている」。選手に考えさせる指導が結果につながっています。
 大体大では、スポーツ科学の知見を活かし大学を挙げて多角的に選手をサポートするDASH選抜アスリート制度があり、ハンドボール部女子は加藤ら8人がその一員です、有力選手の進学は、楠本監督の指導力による点が極めて大きいといえます。
 また、楠本監督自身が大体大の強みとして挙げるのが、伝統の力に基づく選手の高い意識です。「先輩が結果を残してきたことを後輩たちは見ている。自分たちもこのステージに上がりたいという思いがある。だから、日ごろの練習を含めて『これで勝てるのか』『もっと自分が高まらないとあかん』という高い意識を持っている。大体大には、先輩が残したものを背負う重たさがあり、伝統や絆がチーム全体の雰囲気と力を引き上げている」と話します。
 楠本監督は「関東のチームから『打倒・体大』という声も聞く。選手には『注目され、目標にしてもらえるチームであり続けよう』と日ごろから言っている。ぼくには関東も関西もなく、プレッシャーは感じない」。
 競技の枠を超えた偉業はいつまで続くのでしょうか。

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