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2025.10.09

グッドコーチ養成セミナー後期開講 全国初 運動部活動を指導する学生育成講座 ICTによる遠隔指導も拡大へ

 現役大学生が中学などで運動部活動を指導する際に必要な知見を学ぶ大阪体育大学「グッドコーチ養成セミナー」後期が10月6日、開講しました。すでに学校現場などで運動部活動の指導にあたっている学生、これからの指導を希望している学生ら9人が出席しました。

グッドコーチ養成セミナー後期参加の学生
【大阪体育大学】

グッドコーチ養成セミナー後期参加の学生



大阪体育大学はスポーツSDGsを推進しています

◆日本初の学生指導者養成プログラム


 グッドコーチ養成セミナーは2021年、全国初の学生の運動部活動指導者養成プログラムとして開設されました。参加学生は、独自に開発された教育プログラムでコーチングの基礎、グッドコーチング、事故対応などを学び、修了者には修了証が発行されます。意欲と責任感のある学生を対象に指導者を養成するため、授業ではなく、カリキュラム外で自由参加のセミナーとして実施しています。同セミナーのリーダーは、「大阪府における部活動の地域移行に関する検討会議」で座長を務めるスポーツ科学部の中尾豊喜教授(学校教育学)が務めます。
 前期は5月12日から7月14日にかけて実施されました。

◆学生47人が学校現場で指導中


 また、大体大は各自治体などからの部活動指導の要望を受けて受講生らに伝え、指導競技や条件がマッチした学生を各自治体に紹介しています。10月6日現在で、学生47人(延べ)が中学・高校などで部活動指導にあたっています。
 スポーツ指導者としての学生の育成と、学校現場と学生のニーズのマッチングをシステマティックに進める大体大の取り組みは全国でも極めて珍しく、スポーツ庁からも高い評価を受けています。

グッドコーチ養成セミナーリーダーの中尾豊喜教授
【大阪体育大学】

グッドコーチ養成セミナーリーダーの中尾豊喜教授

◆第1講で「グッドコーチング」を学ぶ


 6日は後期開講式と第1講が行われ、中尾教授が諸連絡をした後、スポーツ科学部の土屋裕睦(ひろのぶ)教授(スポーツ心理学)が「実践! グッドコーチング」と題して講義しました。土屋教授は日本スポーツ心理学会会長。体罰などとは無縁なグッドコーチの育成に取り組み、JOC、日本スポーツ協会など日本のスポーツ界を挙げた「NO!スポハラ」活動で実行委員会委員を務めています。公認心理師・スポーツメンタルトレーニング上級指導士として長年にわたり日本代表選手やプロ野球チームなどの心理支援を実践しています。
 土屋教授は、「NO!スポハラは、誰もが安全・安心にスポーツを楽しめる社会を作るための活動」として、現実に起きた事例について学生に「この例はスポハラになるか」と尋ね、「愛のムチは単なる無知」と断じました。プレーヤーズ・センタードなコーチングの重要性を説き、ティーチングとコーチングの違いを説明。良いコーチングの一例として、昨年、JOCなどスポーツ主要6団体が主催し都内で行われたNO!スポハラサミットでファシリテーターを務めた際にパネラーの慶応義塾高校野球部・森林貴彦監督が語っていたエピソードを紹介し、「良い指導者は良い質問をする」と語りました。

第1講は、土屋裕睦教授(スポーツ心理学)が「実践! グッドコーチング」と題して講義した
【大阪体育大学】

第1講は、土屋裕睦教授(スポーツ心理学)が「実践! グッドコーチング」と題して講義した

◆野球部員が松山の小学生を遠隔指導。ICT活用拡大へ


 大体大はソフトバンク株式会社と連携協定を結び、ICTを活用したスポーツ指導法を開発。現在は同セミナーに参加している硬式野球部の4年生2人が同社のアプリ「スマートコーチ」「AIスマートコーチ」を活用し、愛媛県松山市の野球クラブの小学生約40人を大学や自宅から遠隔で指導。今後も遠隔指導は各地の自治体に拡大する予定で、今年7月、同社の「産学連携プロジェクトAWARD」の次世代育成部門で表彰されました。同セミナーでは11月に同社から講師を招き、アプリ活用法と可能性を探るディスカッションが予定されています。

後期のプログラム


10月6日 ①「実践! グッドコーチング」 後期開講式
10月13日 ②「私が考えるグッドコーチの資質・能力とは何か」(学外講師)
10月20日 ③「トレーニング計画」
     ④「スポーツマーケティング」
11月10日 ⑤「スマートコーチ、AI スマートコーチのアプリ活用法と可能性を探るディスカッション」(学外講師)
11月24日 ⑥「生徒の発達段階に応じた科学的な指導」
     ⑦「中学校の理解(不登校の理解を含む)」
12月8日 ⑧「部活動指導員制度の概要」
     ⑨「学校教育と学習指導要領」
     ⑩「部活動の意義及び位置付け」
12月22日 ⑪「スポーツ栄養学」
     ⑫「障害のある生徒への配慮」
1月19日 ⑬ディスカッション・リフレクション(年間・後期の振り返り) 「修了証」の伝達 後期閉講式

◆受講生の声・笹川和斗さん(体育学部4年、花園高校) 「部活動指導の経験を教員として生かしたい」


笹川和斗さん 【大阪体育大学】

笹川和斗さん


 体育学部4年の笹川和斗(かずと)さんはバスケットボール部の引退を機に、部活動指導を始めました。保健体育科の教員を目指していて、中尾教授に志願して、教員として経験を活かすためにもグッドコーチ養成セミナーを初めて受講しました。7月から兵庫県芦屋市の中学校の男子バスケットボール部で部活動地域指導者として週末に指導しています。今後は他県での遠隔指導にもチャレンジする予定だ。笹川さんは「指導する部には、バスケが上手な生徒も初心者の1年生もおり、どう教えていったらいいのかこのセミナーで学びたい」と抱負を語りました。

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