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2025.08.25

ワールドユニバーシティゲームズ バドミントン日本代表トレーナーの有吉准教授に聞く

 スポーツ科学部の有吉晃平准教授(アスレティックトレーニング)が、7月16~27日にドイツで開催されたFISUワールドユニバーシティゲームズで、バドミントン競技のトレーナーとして日本代表チームに帯同しました。
ワールドユニバーシティゲームズは19種目に約150か国・地域から約8500名の選手・スタッフが参加する大学生を対象とした国際的なスポーツ大会。バドミントンは混合団体戦と個人戦(ダブルス、シングルス、ミックスダブルス)があり、24か国・地域(個人戦のみエントリー数を除く)が出場し、日本チームは昨年度のインカレ優勝・準優勝のメンバーを中心に男女各6名、合計12名が出場しました。

バドミントン会場での有吉准教授


 有吉准教授は、普段はスポーツ科学部でアスレティックトレーニング、コンディショニングなどアスレティックトレーナー資格関係科目を中心に担当しています。
日本選手団のトレーナーとして事前合宿から大会中の選手のコンディショニング、ケアを担当した有吉准教授に、現地での活動を聞きました。

――今回、日本選手団のトレーナーに選出された経緯は
 普段からバドミントン競技には深く関わっております。色々な繋がりの中で今回、担当させていただくことになりました。

――選出された後は
 7月9~12日に東京のナショナルトレーニングセンターで事前合宿に帯同し、トレーナー活動に従事しました。普段接していない他大学の選手のコンディショニングを担当するため、できるだけ早く選手ごとの特徴や体調を把握することが必要です。試合前の調整方法やテーピングの巻き方など、コンディショニングづくりに対する要望は選手によって違います。そのため事前合宿などから積極的にコミュニケーションを図って選手の考え方や要望を聞き出し、選手が少しでもベストな状態で試合に臨めるように努めました。

――出発から会場入り後はどうでしたか
 ドイツへは13日に羽田空港を出発、フランクフルトを経由しデュッセルドルフへ約20時間かけ到着しました。16日の開会式は、3万1500人収容のシャウインスラント=ライゼン・アレーナで開催されましたが、豪華な演出と満員の観客を見て大学生の大会でここまで盛り上がることに驚きました。

開会式




ドイツの街並み


――現地での活動は
 主な活動は、選手の試合前のコンディショニング調整やテーピング、試合後の身体のケアになります。バドミントンの場合は、朝9時から夜22時頃まで随時試合が予定され、選手は自分の試合時間に合わせて会場入りし、準備します。一番多い時は朝から晩まで合計20試合を担当し、終了後ホテルで選手のケアをするなどかなり多忙でした。

――選手をサポートするうえで気をつけていたことは
 海外での長期遠征では生活環境が違うため、選手の様子を観察することが重要です。気候も違いますし、朝4時から夜10時頃まで日は昇っていますので、慣れるまで昼夜の感覚もおかしくなってきます。食事面も注意が必要で、それぞれ好みや嗜好もあるため食欲が落ちる選手もいます。試合でのパフォーマンスに影響するため、選手のコンディションが崩れないよういつも気にかけていました。

――試合の結果は
 最終的に日本チームは大きなケガもなく、男子シングルス、女子ダブルスでそれぞれ銅メダルを獲得し無事に大会を終えることができました。

――今回の経験を振り返って感じることは
 試合では各国の代表選手が全力で戦いあいます。一方で、試合後や選手宿舎では文化も言語も異なる学生選手同士が、お互いうまく話せない片言の英語で一生懸命コミュニケーションをとりあっています。すれ違えばあいさつし、試合後はお互いを称えあい、ウェアやピンバッジを交換し、時には連絡先を交換し仲良くなっていく様子には、スポーツの力を感じました。会場には他競技の自国チームの応援で行き来もあり、総合スポーツ大会の魅力を感じました。自分もそうですが、参加選手の方が他国の文化や考え方に触れて刺激を受けたのではないでしょうか。

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