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2025.04.28

体操 関西インカレ 男子は団体総合18連覇 女子も2連覇 男子・唐澤、女子・加畑主将が語る手応えと課題

 第67回関西学生体操選手権大会(体操競技の部)が4月26、27日に和歌山県立体育館で行われ、大阪体育大学体操競技部は、男子が団体総合で18大会連続43回目の優勝。女子も2大会連続8回目の優勝を果たしました。
 体操競技部は今年、8月の全日本インカレで男子は団体総合3位以内、女子は総合得点240得点、団体総合6位以内を目指しています。唐澤一志男子主将(体育学部4年、高崎工業)、加畑友里(体育4年、和歌山北)は手応えと課題を口にしました。

唐澤一志主将のつり輪

【男子】
 男子は、個人総合で上位8人を独占。種目別も平行棒の2位を除く全6種目の1~3位を占め、圧倒的な地力をみせました。エースの築山翔馬(体育4年、相生学院)は17~20日に天皇杯第79回全日本個人総合選手権に出場して連戦でしたが、種目別ゆか、あん馬、跳馬でトップに立ち、個人総合は79.597で優勝しました。2位はスポーツ科学部1年の山﨑海音(出水商業)。昨年の全日本ジュニア選手権のゆかで優勝。U18ジュニアナショナル選手にも選ばれました。オリンピックを目指すために、スポーツ科学などで大学を挙げた支援を受けるDASH選抜アスリートとして大阪体育大学に入学した逸材です。平行棒、鉄棒を制し、地力を見せつけました。
 唐澤主将は「今年は全日本インカレ3位という高い目標を掲げている。その点では、築山と自分がまだチームを引っ張り切れていないが、誰かがミスしても誰かが拾えるような、すごくいい雰囲気の中で試合できた点は良かった」と振り返ります。
 昨年は全日本インカレ6位。なぜ、野心的とも言える3位を目標に掲げたのでしょうか。唐澤は「築山と自分が最後の学年であること、地力が高い1年生の山﨑と個人総合5位の福島琉斗(スポーツ科学、大阪体育大学浪商)が加わったメンバー構成を考えた」と話します。もう一つの理由が、採点規則の変更。技の正確さや完成度がより厳密に評価されるようになり、唐澤は「Eスコア(実施点)がより重視され、演技中に少しでも何かあったら逆転できる」とルール改正を好機ととらえています。

個人総合優勝したエース・築山翔馬のあん馬

 唐澤は、幼稚園で体操を教えにきていた外部コーチが1992年バルセロナ五輪団体総合銅の相原豊さんだった縁もあって小学1年で体操を始めました。高崎工業では全日本ジュニア選手権の跳馬で優勝しました。進学先に大体大を選んだ決め手は1988年ソウル五輪団体総合銅で、元日本協会男子強化スタッフの佐藤寿治コーチの存在だったといいます。「佐藤コーチの存在は大きい。名門の清風から2年先輩の近江奎太選手、1年先輩の田部壮一郎選手が佐藤コーチを慕って大体大に進む流れを見ていて、「大体大は強くなっていくんじゃないか」と感じたといいます。
 大学ではコーチ教育コースで田原宏晃講師(体操競技部女子監督)のゼミに所属します。特に土屋裕睦教授のスポーツカウンセリングの授業は、目標設定のプロセスがよく分かり、競技にとても参考になったといいます。
 唐澤は、1年生で全日本個人総合選手権に出場するなど頭角を現しましたが、2年生の冬に右ひざの前十字じん帯を断裂しました。人生で初めて手術を受け、3年生は試合に出場できませでした。関西インカレは2年生の西日本インカレ以来1年11か月ぶりとなる公式戦でした。つり輪でトップに立ち、個人総合6位。「練習がまだ完全には積めていなくて、100%の力は発揮できなかった」と反省します。
 けがのブランクによる影響もあり、体操競技は大学4年を最後にするといいます。「自分の目標はキャプテンとしても個人としても、全日本インカレの団体総合3位。それを自分がチームの中心となって達成すること」と言い切りました。

五輪メダリストの佐藤寿治コーチ(右)を慕い、有力選手が大体大に進む例が目立っている

◆男子成績
▽団体総合 ①大阪体育大学389.022
▽個人総合 ①築山翔馬(体育学部4年、相生学院)79.597②山﨑海音(スポーツ科学部1年、出水商業)78.466③平井友渉(体育4年、関西)75.864④吉田壮輝(体育4年、鯖江)75.330 ⑤福島琉斗(スポーツ科学1年、大阪体育大学浪商)74.964⑥唐澤一志(体育4年、高崎工業)74.532=1~6位
▽ゆか ①築山14.066②山﨑13.500③平井13.433
▽あん馬 ①築山14.000②中嶋将人(体育4年、浜松城北工業)13.100③山﨑13.066
▽つり輪 ①唐澤12.866②山﨑12.800③築山12.666
▽跳馬 ①築山14.066②唐澤14.000③平井13.866
▽平行棒 ①山﨑13.400③築山12.766
▽鉄棒 ①山﨑13.300②唐澤12.600③吉田12.366
=種目別は1~3位

DASH選抜アスリートの大型1年生・山﨑海音の鉄棒

【女子】
 女子は団体総合でライバルの武庫川女子大学を2.635上回りました。個人総合では1~3位を独占。南涼華(体育4年、和歌山北)は段違い平行棒とゆかで2位、平均台3位とミスの少ない演技で優勝しました。加畑友里(体育4年、和歌山北)が跳馬と段違い平行棒を制して2位。また、スポーツ科学部1年の楢村莉菜(大阪体育大学浪商)も3位と健闘しました。

種目別1位となった加畑友里主将の段違い平行棒


 加畑主将は「これまで団体戦を強く意識した練習をしてきた。課題だった器具の段違い平行棒と平均台は、平均台ではミスも出たが、平行棒でつなげることはできた」と振り返り、1年生の楢村について「Dスコア(難度点)が高く、出来がすごく良くて安定した演技をしてくれる選手。自分たちにとっても心強いメンバー」と期待します。
 チームの今季の目標は、全日本インカレで昨年の6位を維持すること、さらに昨年は1.172及ばなかった総合得点240点を達成することです。

個人総合優勝を果たした南涼華のゆか

 昨年、関西インカレ個人総合3連覇の北田絢女ら4年生3人が卒業し、メンバーから抜けました。加畑は「4年生3人が抜けて不安はあったが、残った自分たち3年生が4年生の分まで頑張るという気持ちで頑張った」と試合を振り返ります。
 加畑は、幼いころ鉄棒が大好きで、小学1年から体操を始めたまし。和歌山北時代にけがをし、自宅から通える1部校として大体大を進学先に選んだといいます。
 体操競技部女子は2021年に全日本インカレ2部で団体優勝し、1部昇格。2022年に1部で8位、2023年7位、2024年6位と着実にステップアップし、上げ潮ムードにあります。その理由について、加畑は「体操部のいいところは、みんなの仲間意識が強いこと。好調の理由はチーム力を大事にしていて、4年生が引っ張りみんなで盛り上げていく点ではないか」と話します。
 全日本インカレに向け、「チームは240点取って6位、自分自身は50点台の演技(関西インカレは48.399)をしたい」と力を込めました。

1年生ながら個人総合3位と健闘した楢村莉菜の跳馬

◆女子成績
▽団体総合 ①大阪体育大学236.727
▽個人総合 ①南涼華(体育4年、和歌山北)48.832②加畑友里(体育4年、和歌山北)48.399③楢村莉菜(スポーツ科学1年、大阪体育大学浪商)47.665⑥横江恵(体育4年、草津東)46.532=1~6位
▽跳馬 ①加畑13.300③楢村12.866
▽段違い平行棒 ①加畑12.066②南11.866
▽平均台 ③南12.433
▽ゆか ②南12.300
=種目別は1~3位

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