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2021.06.16

下河内研究室の峯田研究員が分担翻訳した「コンカレントトレーニング」解説書が出版されました

 大阪体育大学体育学部の下河内洋平研究室所属(スポーツ医学、臨床バイオメカニクス)の峯田晋史郎研究員が分担翻訳したトレーニングの解説書「コンカレントトレーニング―最高のパフォーマンスを引き出す『トレーニング順序』の最適解」(東洋館出版社、544ぺージ)が出版されました。

<記事は下に続きます>

コンカレントトレーニングの解説書を分担翻訳した峯田晋史郎研究員

 「コンカレント(同時の)トレーニング」とは、ランニングなど有酸素運動と筋力トレーニングなどのレジスタンストレーニングを同じ日もしくは同じトレーニングセッション中に行うことです。ランニングの直後に筋トレをすることは、時間効率を高めるためにスポーツ現場ではよく行われます。しかし、有酸素運動後に筋力トレーニングを行うと、疲労や生理学的な背景から筋力トレーニングの効果が下がるなどのデメリットが存在します。このデメリットは有酸素運動と筋力トレーニングの順番や強度設定の工夫によって最小限に抑えることが出来ます。そのため、パフォーマンスの最適化のためには正しい順序やトレーニング量・強度を設定し、その相互作用を最小限に抑えてトレーニングを行うことが重要です。
 この解説書はドイツ体育大学ケルン分子細胞スポーツ医学学科グループ長のモリーズ・シューマン氏、ノルウェー応用科学大学運動生理学教授のベント・ロンネスタッド氏の共著で、そのためのノウハウが詰め込まれています。高齢者や若年層からトップアスリートまでがコンカレントトレーニングをする際の注意点やポイント、栄養学的な考察やトレーニング時の体内でのメカニズム、サッカー、水泳などそれぞれの競技での効果などを最新の知見をもとに紹介しています。
 峯田研究員はアスレチックトレーニング専攻。山形南高校時代はラグビー選手でしたが、ケガをした経験から法政大でトレーナーを志し、2019年、早稲田大学大学院博士後期課程を修了して下河内研究室に所属。主に足関節内がえし捻挫予防のための研究などに従事しています。
 今年4月には国際誌に内がえし捻挫予防のための受傷リスクファクターに関する論文(※)を発表しました。
 早大大学院時代、早大女子サッカー部、江戸川大学男子バスケットボール部でアスレチックトレーナーを務め、コンカレントトレーニングを処方していたことなどから、今回、翻訳を務めました。
 峯田研究員は「トレーニングは順番を変えるだけでも効果が変わる。指導者やトレーナーの方はトレーニングをただ詰め込むのではなく、効率の良い方法を突き詰めてほしい」と話しています。

 ※「Mineta S, Inami T, Hoshiba T, Higashihara A, Kumai T, Torii S, Hirose N. Greater knee varus angle and pelvic internal rotation after landing are predictive factors of a non-contact lateral ankle sprain. Phys Ther Sport. 2021 Apr 12;50:59-64. doi: 10.1016/j.ptsp.2021.04.001. Epub ahead of print. PMID: 33894569.」
 (「接地後の膝関節の内反及び骨盤内旋角度の増大が非接触での足関節うち返し捻挫の受傷リスクを高める」)

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