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2020.01.09

野球の楽しさ、元プロ選手が小学教員に講習。本学・泉大津市連携事業

元プロ野球選手がベースボール型授業での児童への教え方を泉大津市の小学校教員に伝える実技講習会が、本学と同市の連携事業の一環として8日、泉大津市宮町の市立総合体育館で開かれ、同市の小学校教員男女約30人が元オリックス・バファローズ投手の大久保勝信さんの指導を受けました。

本学は社会貢献センター(センター長・冨山浩三教授=スポーツマネジメント)が窓口になり、地域でのスポーツ・健康づくり教室や公開講座の実施、近隣自治体などとの連携によるスポーツ振興政策の立案などに取り組んでいます。
泉大津市とは長年にわたり連携事業として「子ども体力向上推進プロジェクト」を実施。児童向けのスポーツ教室や体力測定、親子スポーツイベントなどを行っており、教員への講習もその一環。昨年は大きくて軽いキンボールの講習を行いました。ベースボール型授業の講習は2年ぶりです。

講習は、準備体操の後、児童に投げ方や打ち方を分かりやすく伝える「とんくる体操・くるっとスロー」、「ぶんくる体操・合わせてバッティング」に先生たちが挑戦。「くるっとスロー」では「手と足パー」の掛け声で相手に対して両手両足を大きく伸ばして一直線になる→「頭トントン」の掛け声でボールを持った手の甲で自分の側頭部をたたいてひじを十分に上げる→投げる――という楽しくて理にかなった指導法が目立ちました。
また、ゲームの前には整列してあいさつし、打った後にバットを投げずにきちんと指定の円内に置いたら1点加点になるなど礼儀やマナー、安全管理を大切にしている点が印象に残りました。
このほか、大久保元投手やプロ野球を統括する日本野球機構(NPB)のスタッフの指導で、教員は何組かのチームに分かれてティーの上に置いた柔らかいボールをプラスチックバットで打って走る「バックホームゲーム」などに参加。ホームランを打つと大きな拍手が送られるなど約2時間の講習では歓声が絶えませんでした。

小学校教育で「野球型」の授業は1977年にソフトボールが必修から外れ、長い空白期間を経て98年にソフトボールが選択科目となり、2011年にベースボール型授業が新学習指導要領で必修科目となりました。空白期間のため野球に縁がない教員も珍しくはなく、また少子化や野球離れの影響で少年野球人口の減少も深刻です。このため、NPBでは全国各地で教員のためのベースボール型授業研究会を開催しており、DVD付きの指導用教材も制作しています。

大久保元投手は「みなさんが熱心に参加されていました。野球に詳しい先生もそうでない先生も、野球をまったく知らない子どもの目線にたって教えることが大切です」と講習会後に話しました。参加した小学2年の担任の教諭はベースボール型授業の課題として「野球を知っている児童と知らない児童で技術やレベルに差がありすぎて教え方が難しいこと」を挙げ、講習会を「投げ方や打ち方などとても分かりやすく、子どもたちがリズムに乗って楽しめそうです」と振り返っていました。

泉大津市立総合体育館であったベースボール型授業の講習会。元オリックス・大久保投手の話を聞く同市の小学校教員ら

ティーの上に置いたボールを力いっぱい打つ先生たち。ホームランが出ると大きな歓声が上がった

「手と足パー」「頭トントン」。ユニークな掛け声に合わせてボールを投げる先生たち

 

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