社会貢献センターが実施する事業のひとつ、「子ども運動教室」(以下、「教室」)についてご紹介します。
本事業は、幼児から小学生までの子どもを対象とし、運動が好きな子ども、苦手な子どもや障害のある子どもとが一緒になって遊び楽しめる、をコンセプトに2012年にスタートし、1年間に2期を基本に、2017年度までに計13期が展開されてきました。1期あたり全10回、毎週木曜日に約1時間、約60人の子ども達が様々な趣向をこらしたレクリエーションや運動に取り組んでいます。
今年度(2018年度)の第1期(通算第14期)は5月10日(木)から開始しています。今期参加している子どもは65名です。毎期とも募集定員の約2~3倍ほどの子どもたちが応募してくれる、とても人気の教室です。中心となっているのは教育学部の金子勝司准教授(社会貢献センター兼任研究員)です。「幼児体育研究会」を立ち上げ、その部長として「教室」を運営しています。さらに、同じく教育学部の曽根裕二准教授(障害児の指導を担当、社会貢献センター兼任研究員)と陳洋明講師(主に小学生の運動プログラムを担当)がともに学生指導に加わっています。今年度、子ども運動教室に携わる学生数は総勢109名、毎回100名ほどの学生が教室の運営に参画しています。
「教室」の大きな特徴としてマンツーマンの指導体制があります。子ども一人ひとりに対し担当の学生が必ず一人つき、全10回にわたって継続して担当の子どもの指導を受け持ちます。走る、跳ぶ、投げるといった基本的な運動動作に加え、鉄棒、平均台、マット運動、跳び箱、縄跳びなど多彩な種目の指導にあたっています。
現在「幼児体育研究会」の主将を務め、「教室」の学生スタッフのとりまとめ役である佐々木駿さん(体育学部3回生)におはなしを聞きました。
「全10回の初期と終期に体力測定を行っています。この体力測定において子どもたちの運動能力や体力の向上がみられることも目標のひとつです。一人ひとりの子どもで言えば、スキップできなかった子がスキップができるようになるとか、鉄棒の逆上がりができなかった子ができるようになるとか。でも、もっとも大切にしたいと思っているのは、子どもたちの記憶に残る体験を提供したいということです。自分たちが子どもだった頃の記憶をたどると、小さな断片ではあるけれども深く刻み込まれた様々な場面が思い出されますが、そうした場面には喜び、楽しみ、悲しみ、逡巡、後悔など何らかの感情的な動きが必ず伴っていたと思うのです。この運動教室ではそうした感情を伴う、深く記憶に残るような体験、楽しい体験をしてもらいたいと思っています。ですから、学生メンバーには、子どもたちが無人島に唯一連れていきたい人は誰かと聞かれたら『運動教室の担当のお兄ちゃん、お姉ちゃん』と答えてもらえるぐらいの関係を作ることを目標にしようと話しています。」
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