教員紹介TEACHERS

教授

中尾 豊喜ナカオ トヨキ

TOYOKI NAKAO

  • スポーツ科学部 スポーツ科学科 教職担当
[専門分野]
学校教育学
教育法社会学
[学位]
修士(学校教育学)
[最終学歴]
兵庫教育大学大学院(学校教育研究科 学校教育専攻 生徒指導コース)

Message

 教師教育の分野では教師のReflection(内省・省察)の重要性が唱えられ、教師道の成長発達・熟達の過程において「養成」「採用」「研修」の段階的な表現がなされることがあります。その「養成」段階にあたる教職課程の教職に関する専門科目(3・4年次)を私は担当しています。次の【 】内の分野がそれです。
 学校教育は、学習者である児童生徒を主体とする教育環境を醸し出す実践をどうのように実現するかが、「主体的・対話的で深い学び」とされるアクティブ・ラーニングの実践が提唱される今日において大切でしょう。とりわけ、キーワードとなるのは「主体」と「対話」でしょうか。教師相互の、この「主体」という言葉の実践レベルでの認識が問われ、教師としてHuman-rights(人として個の基本的な権利)の認識です。自己とは他者の他者ですから「対話」の捉え方、コミュニケーションの実践方法も影響してきます。さらに、「主体」は学習者一個人の尊厳を如何に重んじているか、「対話」は個々の学習者の個の尊厳を相互に保障し、学びの共同体としての学習・生活集団形成を日々実践しているか、つまり、教師の指導方法が問われています。これらが指導者(教師)と被指導者(児童生徒)の関係性の基本的な構図だろうと私は考えています。
➊【生徒指導】が対処療法では到底に立ち行かない課題を理解するため、今日再燃する生徒心得・生徒規則の問題を材料に、慣習的な「指導」のパラダイムを捉え直し、ダイナミックスな人間相互の関係における人としての≪在り方≫についての指導を考えてみます。
➋学校【進路指導】の視点から、児童生徒のキャリア形成を主眼に発達段階を考慮しつつ、これからの「SGDs」の取り組みや「人生100年時代」と称される現代社会において、人間相互の関係を前提に、人としての≪生き方≫についての指導を考えてみます。
➌【総合的学習の時間】・【総合的な探究の時間】という授業方法の面白さや楽しさを知り、探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を媒介に、自己の生き方や自己の在り方生き方を考える探究活動や探究を通して、改めて「思考」を繰り返し深めていくこと、他者と「話し合う」ことの大切さを柔軟に考えてみます。
➍【特別活動】では、「集団や社会の形成者としての見方・考え方を働かせ」から始まる特活の目標の実現のため、体験活動を通して、人と人の間を扱いながら、特活が教育の目的や学校教育と密接にかかわっていることについて実生活・実社会に照らしながら一緒に考えてみましょう。幸せな社会環境を形成するために関係者間が相互いに「合意」を図ることって重要ですよねぇ。主体としての個人の基本的な権利の尊重は大前提です。また、「クラブ活動」の変遷をみつつ、今日的な課題である学校の働き方改革に伴って変わりゆく学校部活動や地域部活動についても共に考える機会を設えます。
➎ 実習・演習科目では、【インターンシップA】、【介護技術講義】(「介護等体験」を含む)、【教育実習Ⅰ】、【教職実践演習】、【スポーツ教育学演習Ⅰ・Ⅱ】を通して、教育の目的実現のため、体験的な学修活動を媒介に教師の資質・能力や言動・態度について考えます。
➏ 教育課程外として、【教員採用試験対策講座】(月5限)、本学がスポーツ庁事業を受託して開発した運動「部活動指導員」を養成する【グッドコーチ養成セミナー】(隔週、月5限)の一部を担当します。
 ところで、2022年は明治期に近代「学校」が日本で制度化されて150年となりました。皆さんが志願する中学校や高等学校の保健体育科教師はその特質から、これからの「学校」を活性化していく可能性を秘めています。日ごろキャンパスで出会う皆さんに、そのポテンシャルの高さを強く感じさせられます。
 皆さんはどのようなキャリアが見えていますか。どうせやるなら、そんな教師像をめざして、「本物を学び、極める 大阪体育大学」大体大で基礎つくりに取り組みませんか?

主な業績・著書・指導実績

■ 共同研究発表:日本部活動学会 第5回大会「部活動の全員参加と慣習法 ―生徒会規則と顧問の内規に注目して」(東海学園大学web・2022年)
■ 日本部活動学会第4回研究集会実行委員会委員長(大阪ガーデンパレス・2021年)
■ 実践発表:令和3年度ピアメディエーション学会総会「教員養成におけるピアメディエーションの意義と近未来 ―大体大「グッドコーチ養成セミナー2021」の事例を通して」(なにわ橋法律事務所web・2021年)
■ スポーツ庁受託事業/泉大津市「地域部活動推進事業」検討委員会委員長(2021年度)
■ 講師:校内教員研修会「最新ハラスメント基準 生徒理解や指導のジレンマ」(神戸第一高等学校・2021年)
■ 講師:校内教員研修会「いじめ四層構造と学校教育」(神戸第一高等学校web・2021年)
■ 2021年度日本特別活動学会第1回研究会総合司会(創価大学web・2021年)
■ 編代著(電子書籍):中尾豊喜編『こどものキャリア形成 -保護者・教育者と考える「資質・能力」』【電子版】(幻冬舎ルネッサンス新社・2021年6月)
■ 自由研究Web発表:日本部活動学会 第4回大会「運動部活動指導者として学生を養成するシステム案について(現状報告)」(白梅学園大学web・2021年)
■ 単著(論文):「『特別活動に関する指導力』と教師の専門性」(日本教師教育学会第10期研究部 課題研究Ⅰ部会・2021年)
■ 分担執筆(報告書):スポーツ庁委託事業/令和2年度「運動部活動改革プラン」報告書資料類(大阪体育大学・2021年)
■ 2020年度スポーツ庁委託事業「運動部活動改革プラン」大阪体育大学シンポジウム「大阪体育大学が取り組む運動部活動改革:学生指導者育成・派遣の試み」報告(大阪体育大学web・2021年)
■ 講師:校内教員研究会「キャリア教育」(高槻市立北日吉台小学校・2020年)
■ 報告:日本教師教育学会 課題研究1研究会「学校部活動改革から教師の専門性を考える ―特別活動と生徒指導の視座より(案)」(国立教員支援機構web・2020年)
■ 編著(書籍):中園大三郎・松田修・中尾豊喜編『小・中・高等学校 特別活動と総合的な学習・探究の理論と指導』(学術研究出版・2020年)
■ 編代著(書籍):中尾豊喜編『総合的な学習の時間・総合的な探究の時間と特別活動の方法-Sustainable Smile and Smile』(東洋館出版社・2020年)
■ 共同チームWeb発表:日本部活動学会 第3回大会「体育系大学は何ができるか➀ -サスティナブルな運動「部活動」運営体制の可能性を探る」(兵庫教育大学web・2020年)
■ 編代著(書籍):中尾豊喜編『こどものキャリア形成 -保護者・教育者と考える「資質・能力」』幻冬舎ルネッサンス新書№200(幻冬舎ルネッサンス新社・2020年)
■ 単著(書籍):『規則と生徒指導 -1980-90年代のジレンマ-』K.G.りぶれっと№52(関西学院大学出版会・2020年)
■ 共著(原著論文):「保育者養成段階におけるキャリア形成支援 -質問紙調査結果の分析から早期離職者を出さないための資質を考える-」(常磐会短期大学紀要Vol.48・2020年)
■ 分担執筆(報告書):スポーツ庁委託事業/令和元年度「運動部活動改革プラン」報告書資料類(大阪体育大学・2020年)
■ 編著(書籍):中園大三郎・松田修・中尾豊喜編『小学校・中学校・高等学校 総合的学習・探究の時間の指導』(学術研究出版・2020年)
■ 共著(原著論文):「「総合的な学習の時間」における「主体的・対話的で深い学び」に関する一考察 -異なる多様な他者との対話の実現に向けて-」(広島文化学園大学人間健康学紀要『人間健康学研究』Vol.2・2019年)
■ 自由研究発表:日本キャリア教育学会 第41回研究大会「キャリア教育の射程を問う実践として -教育課程外で取り組む小・中学校PTA連携「お仕事体験」-」(長崎大学・2019年)
■ 自由研究発表:日本教育行政学会 第54回大会「子どもの育成は 母親の専権なのか-改正ハーグ条約実施法を通して-」(埼玉大学・2019年)
■ 課題研究発表:日本特別活動学会 第28回大会「集団や社会の形成者を育む特別活動「ゆとり」の教育と児童生徒主体の学校生活づくりの課題」(沖縄大学・2019年)
■ 自由研究共同発表:日本特別活動学会 第28回大会「『集団や社会の形成者』に関する一考察-地域が異なる2つの中学校の事例から-」(那覇市立松川小学校・2019年)
■ 報告:日本特別活動学会課題研究プロジェクトD第9回研究会:「『ゆとり』の教育と児童生徒主体の学校生活づくりの課題(試論)」(順天堂大学・2019年)
■ 共著(辞書):日本特別活動学会編『三訂 キーワードで拓く新しい特別活動』(東洋館出版社・2019年)
■ 講師:教員研修会「今日の教育改革における総合的な探究の時間と特別活動」(関西文化芸術高等学校・2019年)
■ 自由研究発表:日本生徒指導学会 第20回記念鳴門大会「生徒個々がつながる集団形成の意義を再考する -規範の生成過程を事例に-」(鳴門教育大学・2019年)
■ 自由研究発表:日本生活科・総合的教育学会 第28回全国大会大分大会「いじめ防止対策学習教材の教育実践意義に関する考察から「総合的な学習の時間」の射程を問う」(佐伯市立渡町台小学校・2019年)
■ 報告:日本教師教育学会課題研究1(第6回研究会)「日本教師教育学会編『教師教育ハンドブック』第9章「スクールソーシャルワーカー」「スクールカウンセラー」、第10章「チーム学校」の整理と課題提起」(学習院大学・2019年)
■ 自由研究発表:日本部活動学会第2回大会「部活動の今日的な意義を考える -中学校学習指導要領(平成29年告示)「特別活動」の視点-」(大阪大学・2019年)
■ 自由研究発表:日本スポーツ法学会 第26回大会「スポーツ基本法と教育基本法の射程領域の探究(Ⅰ)-中学校学習指導要領における保健体育科、道徳科、特別活動の視座より-(同志社大学・2018年)
■ 自由研究発表:日本キャリア教育学会第40回研究大会「キャリア・パスポート試作「私と私たちの今まで⇔今⇔今から」の開発 -教育の目的、義務教育の目的、中学校学習指導要領(平成29年告示)を視座に-」(早稲田大学・2018年)
■ 自由研究発表:日本生徒指導学会 第19回京都大会、日本生徒指導学会関西地区研究会第11回大会「生徒指導の機能と特別活動における学級活動の再考 -平成29年3月告示「中学校学習指導要領」の場合-」(同志社大学・2018年)
■ 報告:第3回WLJ裁判例研究会:「教師の非違行為に関する裁判例分析」(ライト最例ハウス・2018年)
■ 自由研究発表:日本教師教育学会第28回研究大会「教員の問題行為に関する裁判分析(1) -教員「資質」の再検討-」(東京学芸大学・2018年)
■ 自由研究発表:日本特別活動学会第27回大会「中学校特別活動における学級活動の内容「(3)一人一人のキャリア形成と自己実現」に関する一考察」(武蔵野大学・2018年)
■ 報告:教育スポーツ法研究会①:発表題目「日本におけるパワハラ裁判例の現状から今後の方向性を読み解く」(ライト最例ハウス・2018年)
■ 自由研究発表:日本生活科・総合的教育学会 第27回全国大会北海道大会「「総合的な学習の時間」の教育方法試み -生成期と現在の比較を通して-」(札幌市立北辰中学校・2018年)
■ 自由研究発表:日本保育学会第71回大会「保育者養成段階におけるキャリア形成支援(1) -保育者の「資質」を養う-」共同(宮城学院女子大学・2018年)
■ 共著(書籍):『21世紀社会を「生き抜く力」を育む 特別活動の理論と実践』(学術研究出版・2018年)
■ 単著(原著論文):『「能力を伸ばし」、「資質を養う」を再考する -教育基本法改正後の学習指導要領等の内容比較を通して-』(大阪キリスト教短期大学紀要第57集・2017年)
■ 自由研究発表:日本生徒指導学会 第18回大会:自由研究発表「子どもの児童期における意見表明の有用年齢仮説と親の自律性 -最高裁判例の分析から-」(岡山大学・2017年)
■ 自由研究発表:日本教育社会学会第69回大会:自由研究発表「義務教育における児童・生徒の「能力」及び「資質」に関する一考察」(一橋大学・2017年)
■ 単著(総説論文)「「しつけ」最高裁判例にみる家庭における親の子に対する教育と学校」『教職の先達 第3号』(兵庫教育大学大学院同窓会・2017年)
■ 自由研究発表:日本道徳教育方法学会 第23回大会「「道徳」教育実践上の課題と迷い -アンケート調査と判例分析から-」(香川大学・2017年)

学部 担当授業

・ 生徒・進路指導論(単独)
・ 生徒指導論(単独) ※2018年度入学以前
・ 特別活動および総合的な学習の時間の指導法(単独)
・ 特別活動指導論(単独) ※2018年度入学以前
・ 介護技術講義(オムニバス方式、一部複数)
・ 教育実習Ⅰ(オムニバス方式、一部複数)
・ 教職実践演習(中・高)(クラス分け)
・ インターンシップA(クラス分け)
・ スポーツ教育学演習Ⅰ(ゼミナール)
・ 特別活動・総合的な学習の時間の指導法(単独) ※教育学部兼担
・ 特別活動・総合的な学習の時間の指導法A・B(単独) ※2021年度入学以前、教育学部兼担
・ 課程外「教員採用試験対策講座」(複数)
・ 課程外「グッドコーチ養成セミナー」(複数) ※運動部「部活動指導員」養成講座

担当クラブ

ローイング同好会 部長

最近の活動

所属学会
・ 日本生徒指導学会
・ 日本キャリア教育学会
・ 日本特別活動学会
・ 日本生活科・総合的学習教育学会
・ 日本教師教育学会
・ 日本教育社会学会
・ 日本教育行政学会
・ 日本道徳教育方法学会
・ 日本ペスタロッチー・フレーベル学会
・ 日本スポーツ法学会
・ 日本部活動学会(第3期理事)

研究活動
・ 日本部活動学会共同研究プロジェクト(2021・2022年度) 研究代表
・ スポーツ庁受託事業「運動部活動改革プラン」(2019・20年度) 大阪体育大学研究チーム・リーダー
・ 日本教師教育学会課題研究1(2018~20年度) 研究委員
・ 日本特別活動学会課題研究プロジェクトD(2018年度~) 研究委員
・ 大阪弁護士会スポーツ問題研究会 オブザーバー(2018年度~)

社会活動
・『朝日新聞』2022年4月9日朝刊 スポーツ面 ≪縦横無尽(中小路徹)≫「部活強制 生徒の意思は」 取材記事
・『朝日新聞DIGITAL』2022年4月9日web 「部活強制 生徒の意思は」の拡大版、中小路徹記者による取材記事
・『日本経済新聞』2022年3月15日夕刊 ≪キャンパス探訪≫「大阪体育大 グッドコーチ養成セミナー 部活動 正しい知識で指導」 大学院生・学部生と共に取材記事
・『読売新聞』2021年12月23日夕刊 ≪幸せランチ≫ 取材記事
・ 大阪府泉大津市「地域運動部活動推進事業」(スポーツ庁受託事業)検討委員会 委員長
・『読売新聞』2021年7月24日朝刊「大阪 スポーツ 地域で指導視野 教員の負担軽減✽世代超え楽しみ場に」 取材記事
・ 大阪市「令和3年度 東成区子どもの体力向上支援事業」実施事業者選定委員 座長
・『読売新聞』2021年3月8日夕刊 ≪編集委員の視点≫「広がる『部活動指導員』」 取材記事
・『日本経済新聞』2020年12月28日朝刊 ≪風紋≫「部活指導と体罰、根絶への道遠く 対処療法の効果に疑問」 取材記事
・ 大阪市「令和3年度 中央区子どもの体力向上支援事業」実施事業者選定委員
・ 大阪府高槻市スクールサポーター学生支援
・ 神戸第一高等学校第三者委員会 委員
・『日本経済新聞』2020年3月30日朝刊 ≪風紋≫「部活指導、学生活用を」 取材記事
・ 大阪市「令和2年度 阿倍野区子どもの体力向上支援事業」実施事業者選定委員
・ 大阪市立小中学校スクールサポーター学生支援
・ ゼミ生とともに西日本豪雨災害支援ボランティア活動(広島県)
・ 関西文化芸術高等学校 第三者評価委員
・ 大阪市立晴明丘小学校 学校評議員、学校協議会委員

学部・大学院SCHOOL / GRADUATE SCHOOL

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