大阪府警察本部で警察官らの教育・研修を担当する警務部教養課の警察官19人が8月5日、大阪体育大学を訪れ、スポーツ科学部・土屋裕睦(ひろのぶ)教授(スポーツ心理学)の指導でコーチングスキル研修会を受講しました。
研修会は、西祐司教養課長が本学で毎年開催している日本スポーツ協会公認のスポーツ指導者資格講習会にプライベートで参加し、土屋教授の講習を受講したことがきっかけで、初めて開催されました。大学が学内に警察幹部を招いた講習会の開催は全国的にも珍しい取り組みです。
教養課は各都道府県警察本部に置かれ、警察官、警察職員の教育・研修を担当し、柔道・剣道・逮捕術・拳銃などの術科訓練も行います。研修会では教養担当者向けに、指導者として必要な知識や心構えを中心に解説されました。

講演する土屋教授
初めに土屋教授から参加者に「指導者として大切にしていることは?」に発問がありました。参加者はスマートフォンからそれぞれ回答を送信すると、「優」「道」「愛」「考」「聞」「愉」などの回答があり、それが即時にスクリーンに映し出されました。教養担当者同士が、警察官の指導にあたり、どのような指導理念を持っているのかを共有しました。
続いて、指導が難しいと思われるような様々な場面が、クイズ形式でスクリーンに次々と提示されました。参加者は実際にどのようなコーチングを行うか、について回答を送信すると、その結果が一覧となって表示されました。例えば「集中力が欠けているプレーヤーを怒鳴るのはアウト? セーフ? グレー?」のテーマでは回答が分かれ、意見交換が進められました。単に怒鳴ってはいけないという短絡的な理解ではなく、例えばオープンクエスチョンを用いることでグッドコーチングにつながることを、心理学の研究成果をもとに理解を深めました。
続いて、指導する際にどうやって「やる気」を引き出すか、さまざまなコーチング事例をもとに解説されました。やる気を引き出すには、「自律性:自分で決定する」「有能性:やればできる」「関係性:周囲との良好関係、心理的安全性」がそろい、指導者が適切にアプローチすることで「やる気(内発的動機づけ)」が引き出されると説明されました。
最後に研修会で得た学びを模造紙にまとめ、班ごとに発表する時間が設けられ、参加者は和気あいあいと話し合い、研修で得た成果を発表しました。

和気あいあいと盛り上がる参加者たち

参加者の皆さんと記念撮影
土屋教授の話
これまで私は、ナショナルチームの監督やプロチームのコーチ、あるいは学校管理職に対するスキルアップ研修を行ってきましたが、警察幹部の皆さんとの学びの機会は初めてでした。本学の卒業生も多く、その中には剣道八段の先生や、世界大会で優勝経験のあるような先生もいらっしゃって、大変緊張しました。しかし実際にお会いしてみると、皆さんとてもフレンドリーで前向きな方が多く、こういった素敵な先生方が若い警察官を育てていらっしゃることを知り、うれしくなりました。今後も機会があれば、コーチングスキルアップに協力していきたいと思いました。
西祐司・大阪府警本部警務部教養課長の話
参加者がみんな目を輝かせて講演を聞き、良かったです。警察と大学が連携してこのような教育プログラムを実施することは全国的にも珍しいことですが、土屋先生は知識の引き出しを数多く持たれているので、継続的に開催できればと考えています。大阪体育大学から警察官になっている学生も多いので、こういった連携が大阪府警志望者の増加にもつながればと期待しています。

土屋教授と西祐司教養課長(右)




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