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2026.11.08

スポーツ局指導者研修を開催 クラブ指導者らが新しい時代のコーチングを学ぶ

 スポーツ局が主催する指導者研修会が10月27日、法政大学経済学部の山田快(かい)教授(スポーツ心理学、スポーツコーチング学)を招いて、「Your Learning Journey
as a Coach:ニーズに寄り添って」をテーマに開催され、各クラブを指導する教職員らが参加しました。
 スポーツ局は全クラブの統括組織として2018年、全国に先駆けて設置され、科学的知見を活用した競技力向上支援や学修支援など総合的なサポートを担っています。指導者研修会はクラブ指導者のさらなる資質向上をめざして、年2回実施されています。

 研修会では指導者が過去の経験だけに頼るのではなく、アスリートとともに生涯学び続け、指導力を向上させることの大切さが説明されました。その中で、コーチデベロッパーは指導者を育成・支援する「コーチのコーチ」であり、単に知識を伝達するだけでなく、現場での実践や学びを多角的にサポートする役割として、日本スポーツ協会が養成を進めていると紹介されました。

山田快・法政大学経済学部教授


 また、昨今の指導者とアスリートの関係性では、選手の要求通りに指導することは必ずしも本人のためにならないこと、リスクや安全性を考慮した上でアスリートを成長の中心に据える「アスリート・センタード」が世界的にスタンダードとなっていること、選手が求めるコーチ像とは、単なる勝利至上主義ではなく、研究データに基づく対話や自己成長を促してくれる指導者が求められていることなどが示されました。
 さらに時代とともにコーチングの価値観も変化し、過去には当たり前だった「練習中の水分補給禁止」「うさぎ跳び」は現在は否定され、練習方法には科学的根拠や安全性が求められていると話されました。また、「勝利の価値」に対する考え方も変化し、「どのように勝つか」「勝利が誰のためになり、社会や選手にどのような良い影響をもたらすか」というプロセスの価値が重視されていることが説明されました。
 優れたコーチングとは「競技やトレーニングの専門的知識」「コミュニケーションや人間関係構築等の対他者の知識」「自身を客観的に自覚する対自己の知識」の3つで構成され、指導者自身が自身の課題を認識し学ぼうとすることが、指導者として必要不可欠であることが示されました。

説明に聞き入る参加者たち


 後半は個人ワークが実施され「選手がスポーツに求めているニーズ」「指導者自身が現場で求めているニーズ」「自分が選手だった頃のニーズと当時の指導者との一致度」について各自が振り返り、紙に書きだしました。全体での振り返りでは「自分が選手だった頃のニーズと当時の指導者との一致度」は20%程度で、「そもそもお互いのニーズを話し合う機会がない」という意見が多くありました。
最後の質疑応答では、「明確な目的を持たず何となく大学でも競技を続けている学生が増えているように感じるが、どうアプローチすべきか」と質問があり、山田教授からは「なんとなく続けていること自体は必ずしも悪くなく、大学生活やスポーツを通じて自分自身が頑張っている実感を持てるよう、指導者が対話し活動の意味づけをサポートしていく関わりが大切」と答えるなど、学びの多い研修会になりました。

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