奈良育英高等学校の2年生25人が10月20日、大阪体育大学の熊取キャンパスを訪れ、模擬授業や先輩学生の体験談から、スポーツ科学の学びや大学生活に触れ、将来について考えました。


この日、高校生は、実際の通学を想定して電車やバスを利用し本学にやって来ました。大学に到着後、安心した様子もつかの間に、模擬授業がスタート。今回は、「スポーツ心理」「スポーツ生理学」「チームビルディング」に関する講義をスポーツ科学部の教授3人が担当しました。
まず1つ目は、手塚洋介教授(精神生理学)の「心と身体のつながりを体験しよう~スポーツ心理学入門~」です。スポーツ心理学とは、メンタル(=心理的スキル)の仕組みや特徴を知って活用したり、研究したりする学問だと説明があり、高校生は、国立スポーツ科学センターで心理的スキルの特徴を知るために作成されたJISS競技心理検査を使った自己分析に取り組みました。手塚教授は、不安や心配は必ずしもマイナスではなく、準備や努力につながることもあると解説し、自分の課題や強み、成長を知り、競技に生かすことの大切さを伝えました。
続いて、高校生は、文字の意味に惑わされずに、文字に塗られた色を素早く正確に答える「色読みゲーム」や、相手が出したじゃんけんの手を見た後に、自分が負ける手をテンポよく出す「後出し負けじゃんけん」などに挑戦しました。一見簡単そうに感じますが、「また間違えた!」「頭でわかっていてもできない!」と驚きを隠せない様子で取り組みました。普段は簡単にできる動作であっても、条件が変わると途端に難しくなることを体験し、心の働きと身体の動きの関係性について考えるきっかけとなりました。
手塚教授は、「スポーツ心理学で学ぶ知識は、自身の競技力向上だけでなく、将来、指導者として子どもたちにアドバイスする際にも役立つ」と語りかけました。

色読みゲーム 「紫」で塗られた文字「赤」を見て、瞬時に紫と答えられず、つい赤と答えてしまう

後出し負けじゃんけん つい勝ちの手を出してしまい、負けの手を出すには数秒考えてしまう

鏡映描写体験 手元を見ず、鏡だけを頼りに思い通りに線を引くのは想像以上に難しい
昼食を終えた高校生は、2つ目の模擬授業を受講しました。スポーツ科学部長の三島隆章教授(運動生理学)が「あなたの心臓はどれだけ頑張っている?~自分の身体で学ぶスポーツ生理学~」をテーマに担当。スポーツ生理学とは、トレーニングによって身体の中で起こる変化や仕組みを学び、そのメカニズムを知ることで、より効率的・効果的なトレーニングや競技力の向上につなげる学問だと紹介しました。
さらに、継続的なトレーニングによって心臓が一度に送り出す血液量が増えたり、筋肉に毛細血管がつくられたりするなど、身体が変化することを紹介。こうした変化が持久力の向上につながると説明しました。三島教授は、「身体の中で起きていることを知ったうえで練習することで、トレーニングの質も高まる」と伝え、高校生に競技の実践だけでなく、その仕組みを学ぶことの大切さを呼びかけました。

大学の講義内容をつかもうと高校生も一生懸命
3つ目の模擬授業は、伊原久美子教授(野外教育)の「強いチームをつくるには?~野外型チームビルディングの取り組み~」です。
まずは、強いチームに必要な要素について高校生同士で意見を交換し、共通の目標や団結力、技術やメンタルの強さなどが挙がりました。伊原教授は、互いに高め合うには、必要なことを伝え合える信頼関係が大切だとし、意見の対立を恐れずに、互いの考えをぶつけ合い、乗り越えることがチームの成長につながると解説しました。
続いて、高校生は、4つのグループに分かれ、チームビルディングを体験しました。チーム全員がフラフープをなるべく早く、くぐり切る課題や、フラフープをチーム全員の人差し指に乗せ、誰一人指から離すことなく息を合わせて移動させる課題に、失敗しても作戦を練り直しながら協力して取り組みました。高校生は、チームビルディングの手法を通して、自ら考えた意見を出し合い、チームで試行錯誤しながら解決策を見つけることを体験しました。
大阪体育大学では、野外炊事やシャワークライミング、キャンプといった野外活動を通じた、役割分担や判断力、協力する力を育て、チームや個人の成長を目指しています。伊原教授は、「大学選びでは、競技や施設だけでなく、どのような学びを通して自分を成長させられるかにも目を向けてほしい」と高校生にアドバイスしました。

最初は一人ずつ順番にくぐり抜けていたが、速さを求めて試行錯誤し、みんな同時にくぐってみる

チームによって身長差も体格差もそれぞれで答えは一通りではない。意見を出し合い、そのチームにとっての最適解を導き出す
模擬授業に続き、入試部のスタッフが大学の特色や両学部の学びの内容、教員、公務員、一般企業など幅広い卒業後の進路について紹介しました。「今のうちから進路選択を始め、今日の模擬授業や大学見学での経験を生かしながら、自分の将来について考えてほしい」とアドバイスがありました。
さらに、奈良育英高校の卒業生で体育学部4年生の山村一葉(かずは)さん(体育科教育コース)が、学生生活について紹介しました。山村さんは、保健体育の教員になることを目標に、剣道部で日本一を目指して活動してきました。大阪体育大学には、競技ごとの専門的な指導や充実したキャリア支援などで、熱心に接してくれる教職員がいると知って、安心できる環境だと感じ、入学を決めました。入学当初は、授業や部活動、一人暮らしに戸惑うこともありましたが、同期や教員に支えられて乗り越えてきたと振り返りました。
授業では、実技を通して、陸上や水泳、器械運動、球技、武道など、さまざまな競技を学びます。専門とする競技が異なる学生が集まるため、互いの得意分野を生かして教え合い、苦手な競技にも仲間と協力して取り組めるところが魅力だと話しました。また、教員を目指す学びとして、学校現場でのインターンシップや高校での出前授業、模擬授業などを経験。9月には母校で教育実習を行い、教員になるための実践的な学びを深めました。
剣道部では、授業と競技を両立しながら、主務として合宿の企画や練習試合の調整など、チーム運営にも携わっています。仲間と同じ目標に向かって努力する一方で、友人との外出やライブ、家族と過ごす時間も大切にし、充実した大学生活を送っています。
最後に山村さんは、後輩たちに向けて「何か一つでもやりたいことや熱中できることを見つけて、目標を持って挑戦してほしい」とエールを送りました。
学校単位での大学見学について、詳しくは入試部(072-453-7070)までお問い合わせください。

ATルーム 自身もけがから競技復帰する際に利用したと紹介する山村一葉さん(体育学部4年・剣道部女子)




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