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2026.09.13

春に逃した優勝めざす大阪体育大学硬式野球部 部員が新主将に聞く「あと一歩の先へ。今度こそ、轟け。体大」

 阪神大学野球秋季リーグが9月5日開幕しました。
 春季リーグで2位という悔いの残る結果に終わった大阪体育大学。リーグ戦を終え、主将は山下世虎(せとら、体育学部4年、山口・下関国際高校)から森翔斗(スポーツ科学部3年、兵庫・明石商業高校)へと受け継がれました。
 森は、前主将が築いたチームの土台を引き継ぎ、新たなチームを作り上げてきました。高校、大学の両方で「あと一歩」の悔しさを味わった森翔斗が、今季に懸ける思いを語りました。
 【梅原秀太(硬式野球部、スポーツ科学部3年、兵庫・市立尼崎高校)】 

森翔斗主将(スポーツ科学部3年、兵庫・明石商業高校) 【大阪体育大学】

森翔斗主将(スポーツ科学部3年、兵庫・明石商業高校)

一球の怖さを知った春


 春季リーグ第3節第1ラウンド。全勝の天理大学と1敗の大阪体育大学による首位攻防戦が行われた。
 この日、森は9番・遊撃手で先発出場した。大阪体育大学は2点を先取し、エース・高田純誠(体育学部4年、兵庫・報徳学園高校)が九回1死まで完封ペースの投球を見せていた。しかし、そこから2点を返され延長戦へ。十回のタイブレークでは守備のミスも重なり、3―4での逆転サヨナラ負けを喫した。
 この試合で森が感じたのは、「一球の怖さ」だった。
 「強いチームは、一つのミスでつけ込んでくる。一球の怖さを改めて実感した」
 その経験は、春季リーグ後のチームづくりにもつながっている。
 守備練習では、ただノックを受けるだけではない。ランニングスローを禁止し、あえてステップを踏んで強い送球をするなど、その日のテーマに合わせて条件を変える。実戦を想定した状況を作り出し、一つのミスを減らすための練習を積み重ねてきた。
 打撃でもシート打撃や紅白戦、ライブBPなど、より実戦に近い練習を増やした。バットを振る回数も増やし、多い日には1000スイングを振り込んだ。
 その積み重ねは、確かな変化となって表れている。
 「試合の中で送球ミスが減って、送球の強さも出てきた。実戦を多く入れることで、自分が何をしないといけないのかを考え、攻撃の引き出しも増やすことができた」
 春に味わった一球の怖さを、秋への成長につなげている。

受け継いだもの、変えていくもの


 新主将となった森が最初に大切にしたのは、前主将の山下が築いてきたチームの基盤だった。
 「世虎さんが築いた『同じ方向を向く』ということが、今のチームの基盤になった。これを壊さないということは全員で言っている。その中で、勝つための練習に取り組んでいきたい」
 高校野球では監督が練習メニューを決め、チームを導くことが多い。しかし大学野球では、選手自身が考え、チームを作っていく。
 「大学では自分たち選手で練習を作っていく。みんな大人になってきているので、ただ怒るだけではダメ。言葉を使って、うまくチームを良くしていかないといけない」
 率先して行動するだけではなく、言葉で仲間を動かす。それは、山下の背中から学んだことでもある。
 「世虎さんは率先してやる姿もあったし、言葉でうまく乗せていくところもあった。両方の姿を見たので、そこは自分も勉強になった」
 受け継いだものを守りながら、自分たちなりの形へと変えていく。それが新主将・森のチームづくりだ。

二度の「あと一歩」


 森には、忘れられない出来事がある。
 明石商業高校3年の夏の兵庫大会で決勝まで勝ち進んだものの、社高校に九回2死からサヨナラ負けし、あと一歩のところで甲子園への切符を逃した。そして大学でも、今年の春季リーグで優勝を逃した。
 同じ優勝争いでも、その悔しさは少し違った。
 「高校と違って一発勝負ではないので、優勝が消えた後も試合が残っていた。切り替えるのは難しかったけれど、世虎さんをはじめ全員がすぐ前を向いていたので、引きずることは少なかった」
 二つの舞台で味わった悔しさ。その経験は、心の中に強く残っている。
 だからこそ今は、自分がチームを引っ張る立場になり、「俺の背中を見てついてこい」という思いが大きくなった。
そんな主将としての使命感と責任感を胸に、森はグラウンドに立つ。

選手だけでは戦わない


 森が大切にしているのは、選手だけで戦う野球ではない。
 「高校でも大学でも、他の高校や大学よりも大きな声援をもらっている。応援してくれている人たちのために頑張ろうと思えるし、試合中も本当に力になっている」
 声援を力に変えているからこそ、自分自身もプレーと言葉で仲間を動かす。選手とスタンド。その全員で戦う。
 過去に届かなかった「あと一歩」の先へ。今度こそ、チーム全体でつかみにいく。

今季のテーマは「轟」


 森自身が考えた今季のチームテーマは「轟(ごう)」。雷や大砲のように、大きな音が響き渡るという意味だ。
 相手に恐怖を与え、嫌がられるチームを作る。「大阪体育大学」と聞けば恐れられるようなチームを目指す。そのために掲げるのが、「相手に嫌がられる野球」だ。
 相手に隙を与えない。足を使って相手をかき回す。全員が勝つために考え、勝つために動く。春季リーグから「盗塁の数も増え、守備ではエラーの数も減ってきた」。一つのミスの怖さを知ったからこそ、一つの隙も与えない。それが、森が目指す「轟」の野球だ。
 前主将の山下も、森を信頼している。「頭が良く、プレーだけでなく言葉でも鼓舞することができる。とても信頼できるキャプテン」。と話す。受け継いだ想いを力に変え、悔しさを成長に変える。
 「あと一歩」の先へ。
 勝つために、全員で白球を追い、全員で声を枯らし、全員で戦え。
 今度こそ、その音を全国に響かせる。
 勝つためには、さあ轟(とどろ)け。体大。

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