ひとり親家庭の子ども招きウィンターキャンプ2026 德田ゼミ生らが寝食ともに 「体験格差」解消めざす

 子どもの「体験格差」の解消につなげようと、ひとり親家庭の子どもを対象にしたウインターキャンプ2026が1月24、25日の1泊2日、大阪府貝塚市の大阪府立少年自然の家で開催されました。小中学生33名が野外レクリエーション、野外炊事、キャンプファイヤー、ハイキングなどのキャンプ活動を楽しみ、大阪体育大学スポーツ科学部の德田真彦講師(野外教育)と德田ゼミ、野外活動部の学生など多様なメンバー15名が指導にあたりました。

キャンプに参加した德田真彦講師(左端)と大阪体育大学生 【大阪体育大学】

キャンプに参加した德田真彦講師(左端)と大阪体育大学生

 「体験格差」とは家庭の経済状況などの違いによって、旅行や習い事など子どもが学校外で得られる様々な体験に差が生まれること。子どもの学習意欲や課題解決能力は、学校外での体験を得る機会が多いほど向上すると指摘されていますが、経済的に余裕のある家庭では子どもが自然体験活動などに豊富に参加できる一方、生活に余裕がない家庭では参加する余裕がないのが実情です。
 このため、2020年ごろから自然体験活動の体験格差の解消に向けた動きが始まり、德田講師は格差解消に向けた取り組みの有効性や意義について研究を進めています。研究の過程で、同様に体験格差問題に取り組んでいた公益社団法人「日本環境教育フォーラム」の加藤超大事務局長と知り合い、2022年からウィンターキャンプを実施しています。
 費用は寄付金を活用し、保護者に負担をかけない仕組みになっています。

德田真彦講師(右)と「日本環境教育フォーラム」の加藤超大事務局長 【大阪体育大学】

德田真彦講師(右)と「日本環境教育フォーラム」の加藤超大事務局長

【キャンプ1日目】
 開講式後のウォークラリーでは、自然の中でロックバランシングや自然物での似顔絵づくりなど班で協力して様々なゲームを楽しみました。野外炊事では、調理、薪割り、火おこしなど慣れない作業が多くありましたが、みんなで協力して「餃子、豚汁、白ご飯」を作り、どの班もおいしく食べていました。1日目最後のプログラムはキャンプファイヤーで、歌ったり踊ったり、残った火を使って焼きマシュマロをつくったりと、みんなで火を囲み楽しい時間を過ごしました。

開講式 【大阪体育大学】

開講式

【2日目】
 午前6時に起床し、部屋の掃除などを済ませ朝のつどいを行いました。その後のハイキングでは施設展望台(標高約600m)を目指しました。傾斜の厳しいところもあり、特に低学年児童には大変な行程でしたが、高学年生がうまくサポートしながら展望台まで登り切りました。頑張って登ったご褒美に、きれいな景色を見ることができました。最後のプログラムも野外炊事。1日目夕食、2日目朝食を経て3回目ともなると、みんな手際よく、連携して野外炊事を行う姿が印象的でした。2日間天候に恵まれ、ケガや事故もなく、自然の中でおもいっきり楽しんだ2日間となりました。

ウオークラリー(似顔絵づくり) 【大阪体育大学】

ウオークラリー(似顔絵づくり)

 ウィンターキャンプは仕事や育児に追われて疲弊しがちなひとり親家庭の保護者にとって、レスパイト(休息)の機会になればとの思いを持って開催されています。キャンプ後、保護者から「シングルマザーで普段いろんな経験を多くはさせられず、キャンプでの学びやチャレンジは娘にとって大変大きなものとなった」「大学生に憧れて興味津々で、大学生の方々と接する機会をいただき感謝したい」「子どもが不登校になった時期もあり、『あなたの世界は学校だけでなく、もっと広い場所がある』ということを感じてほしいと思い参加した」などの意見が寄せられました。
 德田講師は「保護者から感謝の声をいただき、こういった自然体験活動の機会の必要性を強く感じる。これからも継続・発展に向け尽力していきたい。そして何より、学生が様々な社会課題と出会い向き合う経験が、日本における社会課題の解決に少しでもつながるものになるのではないかと考えている」と話しています。

キャンプファイア 【大阪体育大学】

キャンプファイア


野外炊事 【大阪体育大学】

野外炊事


調理 【大阪体育大学】

調理


展望台までハイキング 【大阪体育大学】

展望台までハイキング