STORY07
- 陳 洋明 先生
- 大阪体育大学 教育学部
教育学科 講師
- シュンは親戚の子にはうまく教えられてたんだね?
- はい。時々会った時には一緒に遊んだりするんだけど…
その子とたまたま年齢が同じぐらいだったので、
同じ感じで教えてみたんだけどなぁ。
- じゃあ、さっき勉強を教えてあげていた、クラブの後輩の子ともよく遊んだりしていたのかな?
- 遊んだり試合をしたことはないけど、よく見かける子なんですよ。だから気になって声をかけたんだけど…
- なるほど…じゃあ、親戚の子と、後輩くん。
全然違うことが一つありますよね。
- えっ?全然違うこと…?なんだろう??
- そこまでとってきたコミュニケーションの量が違うでしょう?
- コミュニケーション…あ…!
- 子どもと同じ目線で一緒に遊ぶことが多く、
ちゃんとコミュニケーションが取れていると、
ぐっと距離感が縮まって
子どもたちもこちらを信頼してくれるようになるんです。
- どう教えるか?の前にお互いの信頼関係ができているか?が基本なんですね。
- そうなんです。そこがないとなかなかうまくいきません。
大学での小学校教員になるための学びでも、まずは定期的なインターンシップで子どもと接する機会を多く持って、一緒に遊んで親しむことを大事にしています。
- ああ、僕、いきなり教えよう教えようって気合が入りすぎちゃっていたかも…(><)
親戚の子には「いつも遊んでくれるお兄ちゃん」ってなつかれてるけど、だからやりやすかったんだなぁ…
- うちの学生もインターンシップに行くと子どもに「すごいボールを投げるお兄さん」とか言われてたり(^^;)
先生になる実習なんだけど「一緒に遊んでくれるお兄さんお姉さん」とかそんな感じから始まるので…
- あははは、体育大学ならでは…ですね。僕も生徒と一緒に身体動かして遊ぶの、大好きですし。
- そうですね。
「体育大学の教育学部の学生」だからできる、
魅力的な教員養成だと思います。
もちろん「教えるべき内容をどうやって工夫して
楽しく伝えるか?」もしっかり学びますよ。
最近では授業でICTも活用します。
ICT機器を活用した新しい教育方法への挑戦
-
グループで話し合いながら、タブレットを使って考えをまとめる。
-
電子黒板で運動のお手本動画を見て、ポイントを理解する。
- 陳先生は、小学校の先生になりたい学生さんたちを教えているんですよね。僕みたいに野球づくし生活の高校生には小学校の先生って遠い存在だったけど…なんかやりがいがありそう!…向いているような気もしてきました!
- それはよかった(^^)
コミュニケーションがちゃんと取れたら、今度はどう勉強に興味をもたせて自ら考えさせるか…も重要になります。
常に、よりよくしよう!と工夫するシュンくんの姿勢は素晴らしいことですよ。
- 僕、やっぱり向いてるのかな!小学校の先生めざそうかなぁ…
- シュンのそういうストレートで分かりやすいところ、子どもたちにウケそうな気がするな…
- ということで。まずは、一緒に身体を動かして遊んでみたらどうでしょう。シュンくんは野球が得意でしょう?
「寄り添って遊んでくれるお兄さん」って感じで、子どもたちとコミュニケーションが取りやすいと思いますよ!
- はい!まずはそこから頑張ってみます!
ワンポイント
子どもと共に身体を動かしてコミュニケーションをとってみよう
外遊びを通して仲良くなる
- みんなでドッジボールなどのチームスポーツをして人間関係をつくる(子ども同士もなかよく)。
- 子どもと同じ目線で遊ぶと距離が縮まりやすい。
- 子どもの顔と名前を早く覚えるなど、ちょっとした積み重ねが大事。
- 一緒に遊ぶことを通して子どもの特徴(個性)を知り、よりコミュニケーションを豊かにできる。
身体を動かすのが苦手な子は?
- ジャンケンやリレー形式などのゲーム的な要素を取り入れて運動を「楽しめる」工夫をしてみる。
- 持久走や縄跳びをするときに、子どもが興味を示す音楽をかけて行い、自然と身体を動かせる環境をつくる。
- 運動のコツをわかりやすく子どもに伝えてあげる(先生がお手本を見せる)。
- 運動に対する意欲を高める工夫をしてみる(ICTを利用するなど)。