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第192号 2010年(平成22年)4月1日(木)

「ダンスは以身伝心」 林教授最終講義

ユーモアを交えて講義する林教授ユーモアを交えて講義する林教授

 本学ダンス部の屋台骨を築いた林信恵教授=写真右=の最終講義が1月30日行われた。テーマは「表現する身体について~ダンス・ルネッサンスの話~」。同教授は舞踏学を通した、身体表現の楽しさと重要性を説いた。特に男性のダンスについては大体大生の能力が高く評価されており、「女性ばかりのダンスの中で男性に出会えて新鮮だった。とても楽しい付き合いでした」と満面の笑みだった。
 「ある日砂浜で遊んでいた少女は、亀の背中に乗って竜宮城へ行き、タイやヒラメ達と踊り、楽しい時を過ごしました」という一言で受講者の心をがっちりつかんでから始まった最終講義。約200人の温かい眼差しが見守る中、終始笑顔で活気のある講義になった。
また、写真やビデオなどの視聴覚教材を効果的に使い、その都度、受講者から笑いや拍手がある楽しい講義だった。
 男性は踊っているとおかしいと思われ、女性は母性教育や、礼儀にかなった身のこなしや、姿などいわゆる女性らしさを求められる容儀教育の下、スポーツをしない。この課題に立ち向かうかのような、最終講義が始まった。まず同教授の生い立ちを背景に、同教授が課題とする実態が詳細に語られた。本人の経験談を交えながら語られる内容には説得力があり、受講者の脳裏に焼きついただろう。そしてそれらの原因が、ダンスとジェンダーにあるとし、近年、そのジェンダー論からの解放が進んでいることを説いた。
 男性のダンスは、ディスコブームや竹の子族の出現で徐々に広まった。女性のスポーツは東京国際女子マラソン(1980年)や全日本女子柔道選手権大会(1977年)を通して、学校教育の中へ浸透していったという。  これらの社会の変化を同教授は、「社会は今、踊りを通して身体を謳歌している。つまりダンス・ルネッサンスということです」とまとめた。奇麗さや上手さではなく、誰でも自由に身体を解放するダンスということだ。  最後に「ダンスは心を豊かにします。21世紀は心の豊かさを求められるのです。以心伝心という言葉がありますが、私はあえて以身伝心と書きたい。身体を以って心を伝える。身体で表現することが求められるのです」と独自の理論を展開し、大喝采を浴びた。
 また講義後にはたくさんの花束を贈られ、永吉宏英学長から「40年近く勤め、人生の一番輝いている年月を大阪体育大学のために使っていただき、本当にありがたく思っている」と感謝の言葉を受けた。
 同教授と同じく、ダンスを専門としている白井麻子講師は「ダンスを愛しているということが全身から伝わった。全ての言葉がそれを表現している。語りを学びたい」と尊敬の眼差しだった。
 講義後の懇親会では、マイクを渡され本当に最後の話をした。「今日はありがとう。今までで一番楽しかった。皆真剣に聞いてくれて、とても記念になる」と笑顔で語った後、「大体大は竜宮城。玉手箱は開けずに、それを持って次の竜宮城でまたタイやヒラメ達と踊りたい」と、退職してもなお、次なる目標に向け、熱い情熱を注いでいた。

【守谷遼平、写真も】

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